見えない証拠
第47話
「なァ
「ふん、
「……うん。まァお前ならそう言うだろうとは思っていたけどね。だが
「……そうだな。強いて言うなら」
「強いて言うなら?」
「目に見えないトリック、だな」
「目に見えない?」
「殺人事件のトリックというものは密室であれ何であれ、大抵事件現場に証拠を残してしまうものだ。どんなに巧妙に隠そうとしても、違和感を完全に消し去ることは不可能だ。それが致命傷になって、完全犯罪の計画は脆くも
「……よく言っている意味がわからないな。殺人事件の証拠が目に見えないってどういう状況だよ? 目に見えない細菌を
「そうではない。細菌やウイルスなら、顕微鏡などの道具があれば見ることができる。私が言っているのは正真正銘、無色透明。そこに証拠はあるのに私たちには見ることができない。もしもそんなトリックで殺人を行われたなら、脅威ではあるな」
「証拠が目に見えないんじゃあ謎を解こうにもヒントがないってことだよな。俺にはそんな状況、想像することすらできないが……」
「まァ脅威ではあるが、最初に言った通り、私に解けない謎など存在しない。人間のやったことなら、必ず物理法則のルールの中で説明できるのだ。たとえ目には見えなくとも、必ず尻尾を掴んでやるさ」
(
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます