第9話:ボランティアですし、収入なくてもいいですよね?
「サーリヤさんはいらっしゃいますか?」
『いらっしゃいませ。少々お待ちください。』
「ええ、そこにかけさせてもらうわね。」
『かぁさま。院長先生がいらっしゃってます。』
「こら、いつも言っているでしょ…」
『マスターと呼びなさい…ですよね?でも、かぁさまはかぁさまです。』
本当に…ミリーはしょうがないですね…でも諦めませんよ…しっかり言って聞かせればマスターと呼ぶようになってくれると信じてますからね…どうしてもダメなら再教育しかないでしょう…
「お久しぶりです、院長先生。お元気そうで何よりです。」
「ありがとう、サーリヤさんも元気そうで安心したわ。」
「そろそろ、収穫祭の季節ですね。またお手伝いに行かせてもらいますね。」
「毎年あなただけでなく人形達まで手伝いに来てもらって…本当なら人形の代金を支払う必要があるのに…」
「何言ってるんですか。お世話になった孤児院に恩を返すのは当然じゃないですか。」
「それでも本当に助かるわ。収穫祭の前日からお願いしたいのだけど大丈夫かしら?」
「はい、収穫祭の前後はお店を閉めてますし、貸し出しも止めてますから大丈夫ですよ。」
「それじゃあ、よろしくお願いしますね。」
今年も収穫祭の季節ですか…今年は何人で行きましょうか?動ける人形全て出して行くのもいいですね…いつも人手がなくて困っていると言ってましたからね。
私は、赤ん坊の時に教会の前に捨てられていたそうなのです…それを孤児院の院長先生が引き取ってくださって、7歳まで孤児院で過ごしたんです。
その後、今の父様…この店の先代主人グレーに素質があるからといって引き取られたんですよ…
だから、院長先生はお母さんと言えるかもしれないですね。そんなこともあって、収穫祭の時ぐらいはお手伝いに行くようにしてるんです。人形達を連れてね。
「誰を連れて行きましょうか…ミリーはお留守番でしょうか…」
『ま、マスターせっかくの収穫祭ですし、お手伝いに行きたいです。』
都合のよいときだけ、しっかりマスターと呼ぶんですね。いいでしょう…連れて行きましょうか。ミリーは子供達に人気がありますからね…
「仕方ないですね…連れて行ってあげますからいい子にしてるんですよ。」
『もちろんです。かぁさ…マスター』
かぁさまと言いかけましたね…やっぱり置いて行きましょうか…
『マスター…』
「はいはい、ちゃんと連れてってあげますよ…」
「後は…」
シルヴィにケティ、デニサ、カミラ…カミラは龍人族ですから今回はお留守番にしましょうか…
以前怖がられましたからね…優しいいい子なんですけどね…
フェオドラは獣人族
メアリにジェーンはメイド枠ですから絶対ですね…ステラは男爵様のところに長期貸し出し中なので、連れて行けないのが残念です…
クッキーを作らせたらきっと人気が出るのでしょうが…
アズサは荷物持ちとしてついてきてもらわないといけません。マジックバックもあるにはありますが、それほど大きくはありませんからね…
エイラもテスト運用は終わりましたし、連れて行っても大丈夫です。メイドとして動いてもらっても全く問題なしです。
ミリーのようにならなかったのはよかったですね…もしミリーのようになっていたら、お蔵入りになっていたかもしれないです…
あとはアーシャですか…いつも眠たそうにしていますが、やるときはちゃんとしてくれますから大丈夫だと思いたいです…とりあえず連れて行きましょう。
他は整備中だったり、作成中の娘ばかりですね…
今回はこの10人で行くことになりそうですね…私を含めて11人ですね。これだけいれば役に立てるでしょう。
「アズサ。あなたのアイテムボックスに入るだけのジャガイモを買ってきて。それと、バターを2㎏ほどかな。」
『はい、マスター。ジャガイモは男爵でいいですか?』
「メークインがあればそっちでお願い。なければ男爵で大丈夫よ。はい、これお財布。」
『はい、では行ってきます。』
収穫祭では、じゃがバターでも振る舞ってあげましょう。あまり高価な物を持って行くと院長先生に気を使わせてしまいますから…このくらいがちょうどいいでしょう。
孤児院ではなかなかお腹いっぱい食べることが出来ませんからね…私の妹、弟になる子達です…この時位はお腹いっぱい食べさせてあげましょう。
収穫祭ですか?もちろん大成功です。エルフのシルヴィが人気かと思っていたのですが、やはり、もふもふには敵わなかったみたいです。フェオドラが1番人気でしたね…結構尻尾を気にしてましたが、1日位我慢してくださいね。もちろん終わったあとはしっかりブラッシングしてあげましたとも。アフターケアは大事です。
今回の収入
ボランティアの為収入無し
たまにはこんな事もあっていいと思うのです。特に自分がでた孤児院のためですから。収入なんて関係なく貸し出しすることもあるのです。
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