第8話 日記の中の私

小さい頃の私は親友の彼のことが大好きだった

本当に大好きで毎日それだけで学校に行っていたほどだ


日記にもそう書いてあった。

でもなぜだろう私は小さい時の記憶がほとんどない


どうやって親友と出会ったか

自分がどんな子供だったのかを覚えていない


"200X年9月

今日は笹野くんという男の子と出会った

面白そうだと思ったこれからも話しかけてみよう


200X年11月


今日は笹野くんと遊びに行った

とても優しくて大好きだ

お父さんが「凉子もうすぐお父さんとお母さんはお前とはお別れだと思うまだ少し先の話だけどね」

そんなことを言っていた

お別れとはなんだろう?



20XX年

笹野くんとは別々の中学にいくことになった

最近大人の私が笹野くんが死んじゃって泣いてる夢を見るすごく悲しい

夢のことをお父さんに話したらお父さんは悲しい顔をした。


あれから毎日笹野くんが死んじゃって泣いてる夢を見る

好きだからそんな夢を見るのだろうか?

笹野くんには元気でいてほしいのに

お父さんが「それはこの先を見ているのかもしれないね」といった。

お父さんはちょっと寂しそうだった

お父さんも先のことが見えるみたいだ

こんな悲しい未来なら忘れてしまいたい…"


日記を読み終えた私は目から涙が溢れて泣いていた




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る