第14話 ラッキーは突然やってくる

 時刻17時になると、必ず社員さんから放送がかかることになっている我がパート先。

 もちろん、それは今日もフロア中に響き渡り私の耳にも入った。

 ところが、卓上の時計(○イソーのデジタル時計)を見ると、16時を示している。

 ちらちらと時計をみながら仕事をしている私は、社員さんを心配した。

 まだ16時なのに、勘違いしてるんじゃないかな……大丈夫かな……と。

 だが、私は気づいたのだ。もう一つの可能性があることを!

 ま、まさか、17時なのではっ!(鼻息荒め)

 そして確実に合っている時計を確認すると、そこには17時の文字が……

 きゃーっ!

 私はすぐさま興奮状態で周りのパートさん達にその話をしまくった。

「一時間は大きいですね」

「いつからずれてたんですかね」

「時計がだめなのか電池がだめなのか、どっちですかね?」

 実に様々な意見を頂いたのだが、私は有頂天になった。

 あと二時間働くところが、急に一時間になったのだから当然である。

「時間のズレに気づかないほど仕事に集中してたんですね!」

 と、褒めようとしてくれた方のありがたいお言葉に

「……いや、単にぼーっとしてただけだと思う……」

 と事実を伝え、私はるんるん気分でその後一時間働き、無事帰宅したのであった。

 新しい時計を買わなくっちゃ……はぁーあ……

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