第6話 楽しめ、私

 やっぱり自分の人生を誰かのせいにしているうちは、楽しめないな……

 ふと降ってくる自戒の言葉。

 自分の感性は自分で守らないとね。

 そんな感じの茨木のり子さんの詩を読んだとき、頭をガツンて殴られたような気がしましたよね。

 小さい頃から、ずっと不貞腐れて生きてきた私。こうすりゃいいんでしょ?って。

 いやいや違うよ。やりたいって気持ちに正直に動くんだよ。うまくいかなくったって、その方が楽しいからさ!

 ……とやってきたこの四年。それは主にハンドメイドだったけれど。

 大手のネットショップもやったし、売れないリアルのフリマも沢山経験したよ。

 ただ売れないだけじゃない、外だと風に煽られて商品は飛ぶわ、十二月だったから寒いわ……別の会場では砂利だったからキャリーまでぶっ壊れたし……

 でも、やりたいをやらないよりマシだったかな?

 今思うとね、そう思わないこともないよ。

 死ぬまでに気がつけて良かったなと思う。

 今は、自分から湧き出るワクワク感に身をゆだねて、ガツガツとスマホで文字を打つ日々を送ってる。

 それが誰にも伝わらなかったとしても、大事なのはワクワクすることを楽しむことだな。

 なんかそれだけで細胞が若返ってるような(多分まやかし)、免疫力が上がってるような(これはそうかな?と感じる)気がするもんね。

 たまに若い人を見て羨ましいな、戻りたいなとちらっと思ったりもするんだけどね。

 いやいやちょっと待てよ、と。

 不貞腐れて、子どもは不登校だわ、自閉症だわを乗り越えて、不貞腐れをやめてやりたいことやってる四十七歳の今の私が一番最高に決まってる!

 仲良くしてくれる作家仲間さんもいるし、私の書いたお話を読んでくださる方もいる。

 今がいい。今でなきゃ書けなかった。生きてきた分だけを詰め込むお話が書ける今がいい。そう思う。

 頑張れ私。楽しめ私。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る