第51話 呼び止めたその先に

「ノイズ、ちょっと待って!」

 ガサガサと木や草の音をたてて歩き続けるノイズの後をノオトが呼び止め続ける。無視してどんどん早歩きでノイズに追い付けず更に離れていく

「ノイズってば!危ないから落ちついて!」

 そう言うと、目の前にあった木を避けるように曲がったノイズ。後を追いかけるノオトも曲がり走ると、林を抜けた場所に出た


「ノイズ……!」

 大声で名前を呼びながら林を出ると、目の前に瓦礫を椅子にして座り、突然ノオトが出てきて驚いた顔をしたミクとメメがいた

「メメ、ここにいたの?」

 ピョンと飛びはねノオトの肩に飛び乗るメメに、ノオトが頭を撫でなから問いかけた

「ええ、ミクに傷を治してもらったわ」

「そっか。ミクありがとう」

「いえいえ、どういたしまして」

 二人の様子を微笑み見ていたミクがニコリとまた微笑むと、メメが大きく尻尾を振りノオトの背中に何度当たった

「ところで、ノイズって声が聞こえたけど何かあった?」

「まあ一応。二人はノイズを見てない?」

「見てないわね」

 と、メメが言うとミクも頷く。二人の返事を聞いて、ノオトが困ったように、ふぅ。とため息をつくと突然ノオトの前に影が現れた


「皆さん、お揃いで!」

 空からふわりと舞い降りてきたオンプとリズム。

トンっと足音をたてて地面に着くと付近の状況を確認して、うんうんと何度も頷いた

「オンプ。やっと来たの」

「いえ、オンプはだいぶ前から居ましたよ。皆さんが隠れて見えなかっただけです」

 メメの言葉にニコニコと微笑みながら答えるオンプ。その側でリズムが本を浮かべ、真剣な眼差しで辺りを見渡している

「ところで、他の方々は?」

「ノイズはどこかに行っちゃったけど、リディはサクラと一緒にいるはず」

「なら、すぐにお二人のいる場所に向かいましょうか」

 ピョンピョンと瓦礫を踏みながら飛び、リズムの居るところに行くと二人で話をし始めた。しばらくすると、二人の話が一通り終わったのか、リズムと一緒にオンプがノオト達のところに戻ってきた

「オンプ。サクラのいる場所分かるの?」

「はい。リリさんに言われて私達と一緒に来ましたから」

 オンプの返事にノオト達三人が顔を見合わせる。オンプとリズムは気にすることなく、ふわりと空を飛び、ノオト達に手招きをした

「ノイズさんは、まあ一人でも生きて帰れるでしょうから、サクラさんを優先に帰りましょう」

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