第37話 一通りの会話を終えて

「はーあ、本当ダルい。面倒ー」

 ソナタに帰され、ミクと一緒に家に着いたリディがドサッとソファーに勢いよく乗り不機嫌そうに

ゴロゴロと寝そべり肘置きに足を置いた

「リディ。ちゃんと座らなきゃダメよ」

「だって、せっかく手助けしたのにさ、ノイズの家のご飯も貰えなかったんだよ」

 キッチンでお茶を用意しながらリディにミクが注意をすると、リディが突然ソファーから立ち上がり、キッチンに駆け寄った 

「ねえねえ、ミク。お腹空いたから、ご飯食べに行く?」

「そうね、私も疲れたから食べに……」

 お茶をリディに渡しながら提案に頷いていると、コンコンと玄関の扉を叩く音が聞こえた


「あら、オンプちゃん。こんにちは」

「ミクさん、こんにちは!リディさんもいらっしゃいますか?」

 玄関を開けると、ペコリと頭を下げ元気よく挨拶をするオンプに、ミクも頭を下げた。ニコニコと微笑み見つめ合う二人をリビングからリディが見ている

「ええ、いるわよ。中にどうぞ」

「ありがとうございます。お邪魔しますね」

 またペコリと頭を下げて家の中に入るオンプ。何度も来ているので迷いなくリビングの方へと歩いていく


「オンプだー。お昼誘いに来たの?」

 ソファーに座っていたリディが手を振り、オンプを隣に座るように誘う。

「そうしたかったのですが、お二人に聞きたいことがありまして」

 そう言うと、テーブルにバサバサと大量の紙が現れ、あっという間にテーブルは埋まった

「サクラさんとモモさん、あとメメさんの事をお聞きしたくて」

 一番近くにあった紙を一枚取りながら、ミクとリディに聞くと、二人が首をかしげながらオンプを見た

「どこに行ったかしりませんか?後、他に変わったこととかお聞きしたくて」

「なになに?やっぱりノイズ、何か面倒なことに巻き込まれているの?」

 リディが楽しそうに笑いながら、テーブルにある紙を一枚適当に取りながらオンプに聞き返すと、どう言うべきか困り苦笑いで頷く

「ええ、まあ。それを詳しく調査中です。それで、お二人にも色々聞けたらと思いまして」

「うーん、知っていたら話していたけど、私達もよく分からないのよね」

「そうですか……。ふむふむ」

 紙にミクの話を書き、次はリディから話を聞く。ミク同様リディも特に何も知らず、オンプの話しに何度も首を横に振る。一通り話を聞き終えると、紙に聞き取りをした内容を書き留めると、テーブルに大量に紙がパッと一瞬で消えてしまった

「よし、お二人からお話を聞けたので、私のお仕事は一旦終了です。みなさん、私とお昼ご飯に行きませんか?」

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