第36話 話し合いは休み休みで

「そうか、そんなことが起きていたのか」

「そうよ、大変だったのよ。それなのに何をしていたのかしら」

「すまないな、少々資料を片すのに手間がかかってな」

 施設に戻ってきたソナタが事務室にいたロンドに不機嫌そうにサクラやノイズの事を話しをしていた。ムッとした顔のまま、部屋にあった珈琲を作り出したソナタを見ながら、ロンドはため息混じりに椅子に背もたれ、事務室にいた人達は二人の会話を戦々恐々と聞いて触れないように部屋の隅に移動し

た。不穏な雰囲気が事務室に流れる中、ガチャと部屋の扉が開いて、ソナタの部下が恐る恐る部屋に入ってきた

「すみません、ノイズさんが家に帰ってきたそうですが……」

 出来立ての珈琲を飲もうとしていたソナタに声をかけると、ソナタが報告を聞いて、ため息まじりに一口飲んだ

「リリが家にいるでしょう?ならなぜ……」

「ノイズさん、サクラさんの姿を見てすぐ、隣で寝てしまったそうで……。今、リリさんはノオトさんを呼びに行くといって出ていってしまいました」

「リリったら、また勝手に動いて」

 珈琲を一気に飲み干し、コップを机に置くとまだ少し不機嫌そうな顔をして、事務室の扉のドアノブに手をかざした

「様子を見に一旦帰るわね。ロンド、後はよろしくね」

 そう言い残し扉を閉じると、事務室からホッとしたようなため息が聞こえ、ロンドが苦笑いしながら椅子から立ち上がった

「ソナタはいつも急がしそうだな」

 フフッと笑いながら残った珈琲をコップに注ぐ。空になった容器をカタンと音たて机に置くと、残ったソナタの部下が恐る恐るロンドに近づいた

「ロンドさん、ノイズさんを行かないんですか?」

「今はまだな。それに今回のことはノイズが起こしたことだ。自分で解決してもらわないとな」

 珈琲を一口の見ながら答えると、聞いてきた部下が心配そうな顔をしていると、ロンドの手に一枚の紙が現れ、その紙を見せた

「それより、この前の事件はどうなっている?」

 手渡された紙を見て苦笑いをすると、ロンドもフフッと笑い、珈琲を持ったまま事務室から出ていった





「本当に寝てる……」

 その頃、ソナタよりも一足先に帰ってきたノオトが、サクラと一緒にスヤスヤと眠るノイズを見てはぁ。とため息をついていた

「ノオトも眠る?怪我をしたと聞いたし、サクラちゃんが来てから、あまり寝ていないのでしょう?」

「そうしたいけど、メメがいないから」

 リリとノオトが寝ている二人を見ながら話していると、いつの間にか家政婦達がベッドの側に簡易ベッドを作り高級そうな布団が敷いていた

「総出で探してもらうわ。多分、モモのことにも関係あるだろうから。その間、あなたもちゃんと体を休めなさい」

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