45 後宮に入りなさい
「お手柄だわ! 月の
「さすが、長女ね!」
タショール妃とイメール妃が、お出ましになっているからだ。
帝の心の表れはブグンによって、すぐさま後宮の女官長に伝えられたのだ。ブグンとて、
「つなげましょう。この
「帝に父性が芽生えたなら、ご懐妊まで、あと一歩よぅ」
タショール妃とイメール妃は両手を取り合った。
「ところで、月の
イメール妃が真白月に向き直った。
「はい。今、ちょっと、悪くなりかけているかもしれませんけど、おおむね良好です」
二人の妃がしゃべっているのを聞いていると、
「じゃ、後宮にいらっしゃい」
「それは、おありがたい提案なのですが」
真白月は、さえぎる。
「後宮って女子の館ですよね。
「あぁ。あの神官騎士か」
タショール妃は目を細めて、ぼんやりと姿かたちを思い出した。彼女は近眼だ。
「うつくしいけど、男だったわね。はい。ダメ。後宮に入れるのは女だけ」
イメール妃が言い切る。
「それでは困るんです。
「あら、そう。では、古来よりの男が後宮で暮らすための方法をとればいいわ」
イメール妃が、こちらの色違いもいいんじゃない? ぐらいの言い方で。
「それは?」
「玉と棒を切除すればいいの」
「たまとぼう」
「あるわよね。その神官騎士。ほんとは女でしたー、とかのオチ、ない?」
「たしかめたこと、ないです」
「早急に、たしかめたほうがいいわ。女だったら問題なし」
「女ではないと思います。1回、
「じゃ、切りましょうか」
二人の妃が退出したと同時に、
馬が屋内にいることを、
「あ、
寝台から
「それ以上、ひひぃん!(言うナ!)」
実は戦闘コンピューターである
「あ。聞こえてた? たま」
「ひひひぃぃん!(言うなぁぁァ!)」
介護士が入って来たが、まったく
宮中に仕える者たちは、『見ざる、言わざる、聞かざる』が徹底している。
特に
「――
介護士と入れ替わりに
「うわ。思いつめテるひひん。
「
「本当ですか」
「
「ひひぃん! (言うナァ!)」
「逃げよ?」
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