22 城で何かあった
「
〈四匹の力持ち〉の門の番人からの緊急信号を、
「戻ろう」
「
「ヨごさんス!」
3人は、
「
天井を仰ぎ見る。
「――城デ何かあタ。ショウサイ不明」
「見てくる! 待ってて!」
すい、と
思えば、無謀だったかもしれない。
竜の門を、すばやくくぐる。
白い光に包まれて、
トゥヤの部屋へ。
転送が終わり切らない内に見えた。寝台にぐったりと横になっているトゥヤ。そばにいる兵士たち。
(戻る)
〈かぼちゃの馬〉〉に、転送中止を知らせる。
一瞬、
ぐるんと風景が変わる。
中庭の転送ポイントの周囲は、暗く誰もいなかった。そこから城の中をうかがう。大広間には誰もおらず、使役型コンピューターが、
先ほどまで、皆が
――血。
(何が、あった?)
トゥヤのぐったりした様子を
(トゥヤの部屋は召使部屋が下にある。召使部屋は調理室の隣。調理室は大広間の階?つまり、この階かも)
(時計まわりに探っていけば、きっと見つかる)
使役コンピューターの動きを目で追った。彼らは、きっと調理場へ皿を戻す。それから召使部屋へ待機するはず。そうっと、真白月は1体の使役型コンピューターについて行った。使役型コンピューターは
はたして、使役型コンピューターは調理室へ行った。
調理場のそばに小部屋が並んでいる。
小部屋をのぞくと上に続く、
(たぶん、3階は城の主人の家族の居住区)
今、
背中に窓のある壁、その他、三方向に扉。だとすると、目の前の扉は廊下に続くだろうと
(鍵穴から中が見えれば)
扉にかがみ込んだ。
ばさり。
そのとき、うしろから衣をかけられ、しっかりと押さえ込まれた。
「おひめさん。迷子になられたかな」
ドルジの声だった。
そのまま、
「ゆるめに拘束させていただきますよ。おひめさん」
衣にくるまれたまま、ひもか何かで縛られた。そして、寝台に横に転がされた。
「よく眠れる香を
そう言って、ドルジは部屋から出て行ったようだ。
(せめて、おじさん臭くない衣にしてほしかった……)
ドルジは自分の着ていたガウンでも、
――ダメ! がんばれ、たわし!
このままでいたら、このおじさん臭を、ずっとずっと嗅いでいなくてはならない。
そばにトゥヤがいると、ドルジは言った。
ようように
(生きてる)
とりあえず、ほっとする。その間もトゥヤは起きない。
(よく眠れる香)
そういうものがあると、システムで学んだ覚えがある。しかし、
(効かない? わたしには?)
それもあるかもしれない。たぶん、おじさん臭のほうが勝った。
そこで、ごそごそ身体を動かしてみる。本当に、ドルジは、ゆるくしか拘束していなくて、
まず、香の火を灰をかけて消す。
「トゥヤ、トゥヤ」
小さな声で呼んでトゥヤの頬を軽くたたくが、目を醒ます様子はない。
枕元のソルトランプの
(何が起こったのだろう)
ぐったりしているトゥヤの額に手の甲をあてて、熱がないかたしかめる。
(
トゥヤの体を抱えてみる。
(転送、大丈夫そう? でも)
大人のユスがダメージを受けていたではないか。今の状態のトゥヤでは耐えられないかも。香だけでなく、何か薬を飲まされている可能性もある、この
(1回、地下迷宮へ帰って、ここへユス先生と
――今は、トゥヤのそばにいよう。
この状況も、たぶん
(
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