第17話 裏口

社長はため息をすると…。


『キャズム』


「なんだぁ?」

突然高島の足元に穴が空いた。

「………」

ヒュルルルルルルルルルルルルルル









「………?」

「よ。今さっき謎の穴から落ちてきたんだよ。お前」

目の前に金谷がいた。

「お前のやりたいことはわかってるよ。アクシスに侵入したいんだろ?」

「そうだよ?なんでわかったの……?」

「そんなことどうでもいい。とりあえず、作戦立てようか」

「え?(金谷らしくねぇな)うん。ってか、お前はアクシスに行かないの?」

「お前まだわかってないみたいだな。1ヶ月くらい前にアクシスから謎の煙が出てきて、人々を包み込んだ。包み込まれた人は次々とアクシスに向かった。つまり?」

「……お前は大丈夫だったわけか。なるほどねぇ」

「ま、もう作戦立ってるけどな。俺についてこい」

「もう1回行くのか……。た、頼もしいなぁ。アハハハハハ…………………(なんかちょっと変だな)」

高島は何か金谷にあったのかと、考えてみたが、なにも思い浮かばなかった。




歩いていると、謎の被り物を被っていた人がいた。

「なんだあれ」

「あれはRPGヘルメット。あれを被ると世界がRPG風に見えるんだよ」

「もしかしてアクシス製?」

「正解」

「じゃあ、あの銃みたいなのは?」

「ネットシューター。電気のロープを撃つことができる」

「じゃああの人形みたいなのは?」

「モノマネキン。自分と同じ行動をする」

やがて2人は街路樹や花畑があった場所に来た。

「……?枯れている?」

「その通り。これもアクシスのせいだ」

さらには路上生活者ホームレスたちが大勢いる道があった。

「え?なんで?」

「アクシスに街の人はほとんど行っちゃったから、職を失う人たちが増えたんだ。産業革命あるある」









「来たぞ。アクシスだ」

「展開が早い!!!!!!どうする?正面から入る?」

「な訳あるか。裏口があるんだよ裏口が。こっちこい」

彼が何故こんなことを知っているのか、高島には分からなかった。

「いやマジでなんで?」

「おい高島、もしかしてコイツ俺らを社内に誘導しているんじゃないか?」

「いや、作業しかしないと思うから、そんなことないと思うんだよなぁ」

AXISと“物作りに全てを捧げます”とスローガンの書かれた正面玄関ではなく、その裏の駐車場の近くにある裏口に来た。

「(頼もしいなぁ)」

金谷が言った。

「先行ってて」

「うん。わkハァァァァァァァァァ??????」

「ん?俺は準備が必要なんだ。だから先行ってて」

「さっきの勇敢な態度はなんだった⁉︎」

「勝手に解釈すんな。はよ行け!!!!」

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