第16話 社長

「何独り言言ってるんだ。………………もしかしてお前、寄生してるだけで洗脳しきれてないのか⁉︎」

「えっとお、そうみたいですね。アハハハハハアハハハハハアハハハハハ…………」

「なんだとお前、捕まえろ!!!!!!」

と言いながら、スタッフは高島に襲いかかった。が、高島の波動弾で無残にも飛ばされた。

「つってぇ〜〜、であえーであえー!」

その声が天井のマイクに伝わったのか、どこからか大勢の人の声が聞こえてきた。

「バレたかな?」

「おい早く逃げるぞ」

「ちょ、待て、耕大さんは⁉︎」

「あの人なら多分大丈夫だ早く!!!!!!」

高島は逃げようとドアを開けた。が、開かない!!!!!!次の瞬間、彼が立っていた床が消えた。

「ん⁉︎」

「あああああああああああ大岡の7日目とのナナの????????????」

訳わからない状態で落ちていった彼は、突然包み込まれるような感覚になった。

「君、本当に洗脳しきれてるのかね?」

誰の声だろうか?

「……聞き覚えがあるなぁ」

突然辺りが明るくなった。どうやら高島を包み込んでいたのはクッションだったらしい。

「こっちだよ私は」

横を向くと、なんと眞田氏がイスに座っていた。

「どうだい、そのクッションの心地よさは。自社製なんだよそれもこれもなんでもな」

辺りにはなにもないが、社長のボケに上手く乗ろうと高島は焦る。

「へぇすごいですねー。本当だ!あれもこれもそれもなんでも、ぜーんぶアクシスの商品なんですか」

「何言ってるんだね君は。周りにはなにもないじゃないか」

マジレスにちょっと、ほんのちょっとだけイラッときたが、それを押し込める。

「そ、そうですか。アハハハハ………」

「ところで、本当に洗脳しきれているのかね?」

「洗脳ってどういうことですか………?」

「………その感じだと、やはり洗脳しきれてないようだね……。名前は?」

「高島照男です……」

「ほら見ろ、やはり洗脳しきれてない!僕、ここがどこだかわかるかい?」

「えぇ⁉︎えっと、社長室?」

「正解……。つまり、どういうことかわかるかい?」

「えぇ?わからないです」

「単独で乗り込んできたってことよ。株式会社アクシスにな」

「単独じゃないですよ。サキスという寄生虫に寄生されてますので」

「⁉︎……………もしかして………………。どうやら君には消えてもらうしかないようだね」

「えぇなんで⁉︎」

「少しばかり、君がいると都合が悪くてね。じゃあな」


『ターゲティング』


彼は指を銃の形にすると、指先から弾丸を撃った。

「?」

ちょうどその時高島は話のややこしさに、顔を一瞬だけ傾けて、弾丸を避けたのだ!

「は?」

「ン?なんか起きた?」

「お前、今銃弾を避けたんだぞ」

「えぇマジ⁉︎」

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