第13話 オタク科学者

独特な驚き方に若干引きながら、耕大は話す。

「私も科学者として、自然を守らなければなりません!どうかお願いです!!!!!!」

「いやいや、僕まだ子供なんですよ⁉︎無理ですって。それに向こうの方が強いに決まってます!!!!!!」

「それを抗議しなければならn」

「民衆に合わせた方がいいんだよぉ」

「………そうですか。失礼しました。このことは忘れてください。では」

「ちょっと待った」

高島はあまりにも気の毒だと思い、電話を切るのを止めた。

「…………いやでも、……本当にできるかわかりませんが、僕でよければ……」

「ありがとうございます!!!!!!早速ですが、行きましょう!!!!!!アクシスに!!!!!!工場の前で待ってます」

ガチャ

急に耕大は張り切ると、居場所を伝えると電話を切った。

「……なんか怪しくない?大丈夫なのか?」

「だよなぁ……。やめとくか?」

「けど本当に良い人だったら悪いし…」

高島はリュックを見た。

「万が一のために……持っていくか」













アクシスの工場に変わった公園の前に来た。

「多分ここら辺にいると思うんだけど…あ」

明らかに耕大さんがいた。その人はかなりデカいリュックを背負っており、「環境破壊は気持ちよくない!」と書かれた看板を持っていた。Tシャツは、謎の女性キャラクターの絵が描かれている。

そして読者様の方々は、科学者はだいたい痩せ型を想像するかもしれないが、耕大さんは肥満体型小太りだった。

「……本当にあいつなのか⁉︎」

「……まぁ多分、見た目で判断しちゃダメだし?ねぇ」

高島は耕大さんと思われる男に近づいた。

「あのう、もしかして耕大さんでしょうか?」

「ん?あ、もしかして高島さんでしょうか?本当に来ていただき、ありがとうございます!!!!!!」

本当に耕大さんだった。オタクのような格好(偏見だけど)をした科学者なんていただろうか?

「その……Tシャツのキャラクターは…?」

「これ?真里亞まりあちゃんだよ〜!もしかして知らないの⁉︎可愛いでしょ。この子のファンもう20年なんだ〜〜」

オタク……というか、まあ好きなキャラクターがいるということに、高島はなんとなく親近感を覚えた。が、ちょっと引いた。まぁオタクに罪はないんだけどな。

「……そうですか。ところでこれからどうしますか?」

「そうですね。まず一旦様子を見ましょう。社内は危険です。ただもしかすると、従業員が出てくるかもしれません。……あ、本当に出てきました。2人」

「従業員が出てきて、どうしたんですか?」

「ちょっとこちらへ…。あ、高島さんは何か能力持っていますか?」

「持ってますよ?打撃を強化する能力ですけど」

「完璧です!!!!!!では、私の合図と同時に従業員に向かってください。行きますよ?」

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