第12話 科学者

高島のわけわからん趣味話を聞きながら、サキスはあることを考えた。

「ちょ、ちょっといいか?なんか変な臭いしないか?」

「ン?…………確かにくさい。なんで?」

「おそらく工場の排気ガスだろうな。こんな臭いの、刺激臭どころの騒ぎじゃないぞ」

ぼーーーーーーーっ

突然大きな音がした。どうやら工場の音らしい。

「……とりあえず今日は大人しくしといた方がいいかもしれない。さっきの工場の奴らも帰ったっぽいな」

「ふう。じゃあ戻るか〜」

「おい待て、リュックはそのままにしとけ。いつでも逃げれるようにな」

高島は家の中に入っていった。

「ま、助けが来るまでSwitchやってよ」

「こんな一大事に…。ってか助けくんの?」

「保証はどこにもないけど。確かオンラインで一緒にやる約束してたんだよ。蓮界と何凸守と」

「絶対そいつらやってねえよ。お前と違って」

「まさかwwwww。約束破るような奴らじゃないよ」

「いやこんな事態にゲームやってるやつなんていねぇよ」

リリリリリリリリリリ…………

突然電話が鳴った。

「今の時代、固定電話なんてあるんだな」

「スマホもあるよ!!!!!!」

高島は電話に出た。

「はいもしもし高島ですが?」

「あのう、すみません。今あなたはアクシスをどう思いますか?」

…どういう質問なのだろうか?相手が大人なのもあって、非常に奇妙だ。

「……あの、まず名乗ったらどうですか?」

「あ、すみません!私は科学者の三浦みうら耕大こうだいと申します…。まぁあまり有名ではないのでご存じないかと思いますが」

「(ほんと知らねえこの人)そうですか。耕大さんはなぜうちに?」

「実は…、アクシスはご存じでしょうか?株式会社アクシスです。あの企業は第二次産業に力を入れていますが、具体的に何を作っているかご存じですか?」

「え?えっと、………わからないです」

「そうですか。実はあの企業、世界の枢軸になるとか言っときながら、そこまで他の企業と差別化できてないんですよ。それどころか、他社の製品を少し改良した海賊版を製造してるんです。おかしいと思いませんか?」

「それは確かにおかしいですね」

「さらに、環境も破壊しております。枢軸にふさわしい行いとは思えません。そして、ついさっきから、街の人が消えました。絶対何か裏があります。高島さん。どうかお願いです。私と一緒に協力して、あの企業に抗議しに行きませんか⁉︎」

「ぇぇダァゲェゲェケアマネ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」

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