第三章

「……あぁ」

 デートの約束をしていて次の日を迎えた。

「ねむ」 

 日奈とのデートだと考えてしまいあまり寝てない。

「寝よう……」

 少しでもいい目を閉じれば少しでも寝れる。かもしれない。

 ………。

 ………。

「あれ?」

 ふと疑問がよぎった。

 そういえば日奈にいつ出かけるのか話してない……?

 言ったか?

 昨日普通にして風呂入って布団にダイブしたんだよな……。

 メッセージ送ってなくね?

 スマホを手に取り時間は7時半と表記しているのを確認しがらLINEを開き。日奈とのトーク履歴を見てみる。

『空太。ポテチとオレンジジュース買ってきたから遊ぼー』

『あいよ』

 と前にトークを送ったままだった。

 送ってない……。

 急いで日奈にメッセージを送る。

『日奈。起きてるか? 何時ごろに家に出る?』


 ピコンッ!


 すぐさまメッセージが届き見てみると、

『9時半に家に出よう~。楽しみだねデート』

 と送られてきた。

「―――おぉっ」

 ヤバ嬉しい……。

 返信が来てるだけでもこんなにも嬉しかった。

『楽しみにしている』

「……俺も準備しないと」

 急いで朝ごはんを食べて着替える。

「暇だ」

 スマホで色々と検索する。

「……あの漫画出てたんだ」

 昨日日奈が読んでいた漫画の新刊が出てたのは気づかなかったな。

「日奈に教えておこうっと」

 そのあともスマホで検索したりアプリで遊んでいたりしていたらあっという間に約束の時間に近づいていた。 

「もう行くか」

 家を出て外に出るが日奈の姿はまだいなかった。

 少し待つと玄関から日奈が登場してきた。

「にょっす空太!」

「おは……」

 よく見てみると。白ジャケットにピンクの長いスカート履いていて服で思わず見とれてしまうほど魅力的だった。

「おぉ……なんか今まで見たことがない服」 

「そうっ空太と恋人になったら絶対に着ようと思って今、着てみたんだよ~!」

「え、マジで」

「それでどう?」

「似合ってる」

「うぃサンキュー。……やった!」

 何度も頷きながらガッツポーズを決めていた。

「じゃあ行こうか」

 スッと手を出す。

「おぉ……うん」

 日奈も手を握り返し歩き出す。

「……」

「……」

 昨日、握った手だけど、けどなんかうれしかった。

「……えへへ」

「……んんっ」

 暑い。

 とにかく体全体が熱い。

 心臓の鼓動がバックンバックンと鳴り響いていて今にでも爆発するんじゃないかというぐらい。うるさい……。

「な、なあ、昨日さ日奈が読んでいた漫画が発売していたぞ」

「……スゥ。暑っ」

「日奈?」

「……え⁉ な、なに?」

「大丈夫か?」

「……ちょっとダイジョばない。空太の手、握っているだけでも嬉しすぎて軽く死にそう」

「それは、俺も同じ気持ち」

「そっか……えへへっ、そっか」

 バス停まで歩いていき。

 一緒に乗っているがなんかそれだけで嬉しかった。

「ついたね。さてどこにから回ろ!」

「そこら辺ブラブラしよ。なんか気になるようだったら店に入ろ」

「ほーい」

 服屋に入っていく。

「ねぇねぇ空太見てみて肉だよ肉!」

「肉?」

 なんか食べ物でも見つけたんか?

 日奈が指差した方を見ると漫画とかに見かける骨つき肉がプリントしてある服が置いてあった。

「確かに肉だ……」

「ちょっと見てみない?」

「ほいよ」

 服屋に立ち寄ることにした。籠を手に取った。

「肉だな」

「空太、買う? にしし……」

「え、これ俺が着るの?」

「平気平気、似合ってるよ~」

「面白半分で選んだな。でも、面白いからいいな」

「へへっ。それじゃあ私のも選んで。なんか面白そうなだったら気に入って買うから」

「この肉球のTシャツとか日奈に似合ってるんじゃないか?」

「え、なにこれ可愛い……。これ好き!」

「気にいった?」

「めっちゃ好き!」

「おぉ、良かった」

 日奈が選んだ肉と肉球の服を籠に入れていく。

「ねぇねぇ空太。空太」

 日奈がグイグイと引っ張ってきた。

「ん、今度はなんだ?」

「モフモフなネコパジャマ!」

「……なにそれ」

 黄色くモフモフとした猫のパーカーを日奈が手に取っていた。

「触ると気持ちやつだよ。空太も触ってみ!」

「んっどれどれ」

 日奈に言われた通り触ってみるとふわふわだったまるで猫を撫でているかの感触だ。

「……おぉ、好き」

「空太、一緒にお揃いにしようよ!」

「え、俺も猫になるの?」

「ん、にゃ」

「にゃー」

 触ってるが気持ちい……。

 ちょっと看板の方をみるとレディースと書かれていた。

「あ、でもこれレディースだからメンズってないんじゃないか?」

「うーん店員さんに空太と同じサイズのがあったら空太もお揃いにする?」

 このふわふわを触ったら俺も欲しくなってきた。

「する!」

「決断はや……。じゃあ聞いて来るからその服もってて」

「へいよ」

 店員に聞くためにてくてくと歩いていった。

 数分後日奈が戻ってきた。

「空太~店員さんに聞いたらあるって! ほい、空太の分」

 俺のはグレーのふわふわな猫パーカーパジャマだった。

「ありがとう」

「えへへお揃い」

「じゃあそれを入れたら会計にする? それともまだ探すか?」

「んー。着る服は良いかなこのあと下着が欲しいかな」

「了解」

「空太は下着はいいの?」

「あー選ぶかな最近小さくなって買い換えようかなって思っていた」

「ほーい空太も下着ね」

「会計は別にする?」

「一緒でいいよ。紙袋と同じの貰って私のと空太のに分けよ。帰り渡すとき楽だよ」

「了解。会計済ますわ」

「ほーい」

 袋を二枚もらい会計を済ました。 

 次に下着コーナーに向かった。

「じゃあ会計の時連絡してくれ」

「ほいさ。行ってくるね~」

 日奈は女性売り場の方に向かって歩いていった。

 ん? いいのあるな……。

 気に入った下着を三枚ぐらい選び籠の中に入れていく。

 あーこの靴下いいな……。買うか。

 まとめ買いとかいてある三足の靴下も籠に入れる。

 まあこのぐらいかな。


 ピコンっ! 


「んっ?」

 日奈からLINEが届いた。

『可愛いの選んだよ~。空太の方は終わった?』

『終わった。レジの方に来て会計するから待ってて』

『りょ』

 レジに向かうと日奈が待っていた。

「おう」

「ぬぃ」

 ぽいと日奈の下着も籠の中に放り込んでいく。

「可愛いのあった」

「よかったな」

「うん」

 会計を済まし店の外に出ていく。

「腹減った……」

「ねぇお腹すいた」

 スマホを見てみると12時。昼の時間をさしていた。

「お昼どこにする?」

 お昼かなんかこう、あっさりかこってりなラーメンが食いたいな。

「ラーメンとかどう?」

「おっ良いチョイスじゃん空太。ラーメンにしよ」

 有名店チェーンに入りテーブル席に座った。

「ご注文の方をお伺いいたします」

「俺はチャーシュー麺と餃子一枚」

「私はねぎ味噌で」

「はい。確認の方繰り返しますね。チャーシュー麺、ねぎ味噌。餃子が一枚でよろしいでしょうか?」

「大丈夫です」

「はい、平気です」

「……はい。かしこまりました。少々お待ちください」

 数分後待っていると頼んだものがテーブルに置かれていた。

「美味そう」

「ねぇ」

「じゃあいただきます」

「いただきまーす!」

 チャーシュー沢山あるな。日奈食うかな。

「チャーシュー一枚食うか?」

「食べる~」

 日奈にいる一枚渡しラーメンを食べた。

「味噌も美味しいよ食べる?」

「欲しい」

 日奈から麺を啜り食べると味噌のこってりとしたのとネギのシャキシャキとしたのが美味かった。

「うまっ」

「ねぇ」

 そのまま食べ餃子が最後の一個になっていた。

「日奈食うか?」

「んー空太にあげる」

「うぃ」

「じゃあせっかくだから恋人らしくあーんしてあげよう」

「夢がかなった」

 日奈が餃子を掴んで俺の口に放り込む。

「え、なにこのあーんが?」

「そうそう。恋人が出来たらしたいこと」

「……よしこの後クレープ屋に行こう!」

「マジかラーメンのあとに入るか?」

「んーまあ空太がいるから大丈夫」

「仕方がないな」

 ラーメンを食べてクレープ屋に寄った。

「空太は何にするの?」

「んーミカンクレープかな日奈は?」

「私はバナナクレープ」

「ほいよ」

 俺と日奈が食べたいものをそれぞれ注文し手に持った。

「じゃあほい。あーん」

 スッと日奈のクレープを俺の口元に近づけた。

「いただきます」

 かぶりつくとバナナと甘さ控えめなクリームにいい感じの生地がマッチして、好きになる。

「うま」

「叶ったね空太」

「おかげさまで」

「よかったよかった」

 お返しにあげるか。

「ほい、日奈にもあーん」

「やった! あむっ」

 俺のから一口食べてもぐもぐとする。

「どう?」

「ミカン美味しい」

「ならよかった」

 そのままクレープを食べ終え紙屑をゴミ箱に捨てた。

「次はどこに行こう」

「そういえば昨日読んでいた漫画の続きあったぞ」

「うそ! 読みたい」 

「じゃあ本屋行くか」

「ほいさっ!」

 その足で本屋に向かった。

「雑誌買ってくるね」

「ほいよ」

 適当にブラブラするかな。

 目当ての漫画と適当に漫画を二冊追加し会計を済ました。

 日奈と集合する。

「他に行きたいところあるか?」

私は満足だよ〜お腹いっぱい。……空太は行きたいところってある?」

「俺も満足。もう帰るか」

「ほーい」

 帰りのバスに乗り。降りて空を見上げると夕方になっていた。

「楽しかった~!」

「パジャマが良い収穫だった」

「ねぇ、気に入ったね空太」

「虜になってしまったにゃ」

「にゃー」

 嬉しそうに日奈が左右に揺れながら歩いていく。

「あっそうだ空太。来週からパパたち北海道の方に行っちゃうか、空太。泊まりに来てくれない? 一人だと暇だし」

 お互い一人っ子気持ちはわかる。家にいないのも暗くて寂しいというのとホントに暇だっていうのが。

「はいよ。来週の土曜日な」

「やったー! 今日買ったパジャマ着て過ごそう。めっちゃ触りたい」

「楽しみだな」

「うん! 楽しみ」

 えへへっとその笑顔だけでこっちまで嬉しくなっていく。

「泊りに来るときの夕飯なにがいい?」

「気が早いだろ……」

「えへへ。食べたいのあったら言ってね。めっちゃ振る舞うからね!」

「楽しみしている」

「……うぃ」

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