お妃さまとともだち

 お妃さま お妃さま。


 きっと私の魂の中で、永遠なる姫として刻まれたお妃さま。


 私の生まれ落ちた家は、表向きには王家に忠実な公爵家でした。


 けれども真に仕えるは王家ではなく、国そのもの。国の存続こそが命題で、その他のものはすべて国を生かすための道具に過ぎません。


 お妃さま お妃さま。


 偉大なる女王になりえる未来もあったかもしれないお妃さま。


 当家に道具として選出されたお妃さま。


 あなたが私を友と呼んでくれるよう、私はそう仕向けたのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る