お妃さまと私は

 お妃さま お妃さま。


 私の大好きなともだちで、我が崇高なる主人たるお妃さま。


 あれから長い、本当に長い時間が流れ、今では私の孫が我が祖国に仕えております。


 あなたはいまだに我が祖国の汚点として語り継がれ、今では世界中の人々に悪女として面白おかしくささやかれています。


 お妃さま お妃さま。


 もう誰にもお妃さま呼ばれないお妃さま。






 そして、あなたを葬ってもう侍女でも何者でもない私。


 私はあなたのともだちでしょうか。それとも王家の謀反人でしょうか。


 お妃さま お妃さま


 誰が信じなくとも、あなたにだけは信じてほしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る