第4話
あれから3週間が過ぎ、それまで全くの進入許可がでなかった。よそのダンジョンで探索する等して、大半の冒険者は興味が薄れそうだった。しかし、ギルドに張り紙があったんだ。
「第3階層、できたよ」
再び、第2階層に集まる冒険者。階段を降りていくと、体に違和感を感じるものがいた。膜に覆われる感覚と口々に言う。
「待たせたね、諸君。第3階層主であるキボトルだ」
英雄気取りなのか、スベり倒している。誰しも、その鼻を2段階に、へし折ってやろうかと、睨みつける。
「この階層は、魔法無効化とした。すでに感じ取っている者もいるだろう。己の体で探索せよ!」
いかにもダンジョン攻略な、罠配置やモンスターの出現率。しかし、モンスターも魔法が使えないので、怪力が多く冒険者達も苦戦する。でも、敵の魔法使いが出てきた時は、戦いに困った。杖を投げつけてきたり、ビンタで、どうにかしようとしてきた。敵であるモンスターが、困った表情で、こちらの顔をひっぱたくんだ。しかも、弱い。仕方なく、魔法使いのスネを蹴り『んな゛ぉぅ』と悶絶してるところを、一撃で仕留める。冒険者達も、後味が悪い。
モンスタードロップ品も、どうにか食用にできそうな肉の塊がアイテム化しており、ダンジョン移動がとても鈍化した。
第4階層への穴が、早く見つかり、探索よりも先に進みたい魔法使い冒険者が、階層主への権利イベントを要求した。それに対して、キボトルが言う。
「よかろう。次の階層主になりたければ、私を倒すことだ!」
ラスボスでもあるまいし、何強がっているんだ?誰しもそう思ったんだ。だけど、設計仕様書の力を使って、キボトルはステータスアップをしていたので、通常攻撃がことごとく通用しない。
そんな中、一人の魔法使いが、静かに近づいてきて、足元にスライム粘液を撒いた。見事に転んだキボトルの首元に暗殺者が好む薄いナイフで当て、そっと斬った。血が吹き出すキボトルは、その魔法使いに設計仕様書を渡した瞬間、魔法使いを腕を掴み、第4階層に転げ落ちた。
「ぁ~、死ぬかと思った」
第3階層に上がってきたキボトルが、ぼやいた。階層主権利を渡した後、手持ちのポーションや魔法使いに無理やり治療をさせていた。後から、魔法使いも上がってきた。
「私が第4階層の主となる魔法使いのトラーズ。脳筋共は野蛮で好かぬ。私が主となったので、覚悟されよ」
静かに、第4階層へ降りていった。
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