ヤンデレ開花

次の日になって、【主人公】は寝ぼけながら、大きな音で鳴っている目覚まし時計を止めようとして手を動かした。


ガチャッ


主人公(……ん?)


右手を動かそうとすると、手首に何かが引っかかており、目覚まし時計まで手が届かない。

【主人公】はうっすらと目を開けるとそこには……見慣れた顔があった。


幼馴染「おはよう、【主人公】!」


主人公「何だ……【幼馴染】か……」


【幼馴染】はこうやって、たまに【主人公】を起こしに来ることがある。

【主人公】の母も【幼馴染】のことをよく知っているので、【主人公】の部屋まで顔パス状態だ。

ただ……今日は土曜日、休みの日に来たのは初めてだった。


主人公「どうしたんだよ……今日は休みだろ……」


幼馴染「うん、そうだね。だから、寝てて大丈夫だよ。」


主人公「そういうわけにもいかねぇだろ……」


【幼馴染】を放置して、寝たままでいたら母さんにどやされる。

俺はゆっくりと起き上がると、目をこすろうとした。


ガチャリ


また、手首に何かが引っかかり、目まで手が届かない。

手首から、どこかひんやりと重い感触がする。

そう思って、【主人公】は手首を見ると、そこには鈍色に光る手錠があった。

手錠の片方はベットにつながっている。


主人公「な……なんだ、これっ!?」


突然の事態に、一気に目が覚める。

誰がやったのか……

その答えは、1人しかいない。

【主人公】は……ゆっくりと視線を上げる。


視界に映った【幼馴染】は、怖いくらいに目を見開いて、ニタァッと笑っていた。

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