プロローグ

事の始まりは、学校の帰り道での些細な出来事からだった……


主人公「なぁ……【幼馴染】。」


幼馴染「なぁに?【主人公】。」


夕暮れ時の帰り道。

【主人公】と【幼馴染】は家が隣同士のため、仲良く下校していた。


主人公「実はさ……好きな人できてさ。」


幼馴染「うんうん……だぁれ?」


この時、【主人公】は好きな人が出来て浮かれていた。

だから、【幼馴染】の声がワントーン低くなっていたことに気づかなかった。


主人公「【彼女】さんって言うんだけど……知ってるか?」


幼馴染「……」


下をうつむいて押し黙る【幼馴染】。

【主人公】は楽観的に、何か思いだそうとしてくれているのだと勘違いしていた。

しばらくすると、【幼馴染】は顔を上げて、【主人公】に向かって申し訳なさそうに笑みを浮かべた。


幼馴染「ごめんね……知らないかも。今度、友達とかにも聞いてみるね?」


主人公「おぉ!ありがとな!【幼馴染】!」


幼馴染「うん、気にしないで……(ユルサナイカラ)」


ボソッと何か呟いたようにも思えたが、この時の【主人公】は喜びから気づいていなかった。

これが最悪の……逃走と闘争の始まりだということを。

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