第8話 使用人採用試験

「レオ。今日の昼食後 使用人面接をするよ。予定しておいて。

アオイちゃんとルナちゃん、ヒナタちゃんも手伝ってね。

馬車の中から観察係よ。気になった子をチェックするだけよ」


朝食前 皆が椅子に座ったタイミングで母上が予定を告げた。



「みなさん、今日はようこそ。私はプラチナランカーのアン。本日の試験官よ。

みなさんには、とあるゲームをしてもらいます。」


ざわざわ。どよどよ。 


準備と説明

武器は、木の剣、木の棒、木の弓と矢、魔法杖からひとつを選ぶ。

防具は、大盾、小盾、手甲、胸当て。いくつ選んでも良い。

4人でグループを組む。決まったら、その場に座って待つ。


「はい、グループは決まりましたね。ルールを説明します。」


ルール

攻撃側は、5分以内に馬車に触れたら勝利。攻撃側は4人。

守備側は、馬車を守る。5分間守れば勝利。守備側は8人。

馬車はその場を動かない。馬はいない。御者役は試験官。


「質問のある人は。手を挙げて、はい、どうぞ」


「魔法や、矢で直接馬車を狙っても良いのですか?」

「はい。当たれば、その瞬間に勝利となります」



作戦時間は3分。準備はいいかな? 

攻撃側の人は、50メートル先の円の中に集まって。

守備側の人は、馬車から30メートル以内に居てね。


一回戦 攻撃側 A 守備側 B、C

二回戦 攻撃側 D 守備側 E、A

三回戦 攻撃側 B 守備側 C、D

四回戦 攻撃側 E 守備側 A、B

最終戦 攻撃側 C 守備側 D、E


「では、一回戦、はじめ!」


Aチームが二手に分かれて馬車に向かう。

守備側もつられて、二手に分かれて迎え撃つ。

Aチームはさらに二手に分かれて3人が矢を放った。

4人目はファイアーボール。


どん。全弾命中。 Aチーム勝利。9~12歳の女性4人



「二回戦、はじめ!」


Dチームが二手に分かれて馬車に向かう。

守備側は、Eチームが馬車前で守備。

Aチームは、Eチームの前から、弓矢で攻撃側をけん制。

Dチームは近づけない。


5分経過。守備側の勝利。 Aチームの統率力が高評価。

Eチームは4人とも盾を構えた。臨機応変さが高評価。



「三回戦、はじめ!」


二回戦と同じ展開に。

5分経過。守備側の勝利。



「四回戦、はじめ!」


Eチームの前衛が二人大盾、その後ろから杖と弓矢。

守備側 Aチームが馬車前で守備。

Bチームが、Aチームの前から、弓矢で攻撃側をけん制。


Eチームの前衛の盾が、すべての弓を弾く。

Eチームの弓矢とファイアーボールが馬車へ向かう。


Aチームの一人が、短剣を投擲、弓矢を弾く。

残り三人の風魔法でファイアーボールの軌道がそれた。

三度の繰り返し。ファイアーボールが、Aチームを狙う。

Aチームが移動。この隙に、弓矢が馬車に刺さる。


Eチーム勝利。男性2名。女性2名。10歳~14歳。

Aチームの守備力も高い。 



「最終戦、はじめ!」


二回戦と同じ展開に。

5分経過。Eチームは4人とも盾。守備側の勝利。


「はい、みなさん、お疲れ様。15分休憩時間を取ります」



馬車内


「AとEチームの8人が、圧巻でした。」

「私も同じく」


結果は、全員一致となりました。



翌日以降も、3日間にわたり、5チーム20名ずつ試験が行われた。

最終的に、初日の8人と契約することに至った。


Aチーム

リン 12歳 レベル6 風スキル+斥候、ギフト房中。元伯爵家侍女。

メル 11歳 レベル5 風スキル+付与スキル。元伯爵家メイド。

エル 10歳 レベル3 風スキル+テイマースキル。元伯爵家メイド。

ルイ 8歳 レベル0 風スキル 元伯爵家令嬢。


僕とこの子たちの契約は、後見人が必要で、僕の後見人に母上が。

元伯爵家の子たちには、ラウール侯爵領のラウール侯爵様となった。

後日談によると、10年契約+長期継続希望となった。


Eチーム(エモル村出身)

アルヴォ 13歳 レベル10 盾スキル、ギフト鍛冶。アウラの実兄。 

ラッシ 14歳 レベル9 錬金スキル、ギフト鑑定。エステルの夫。

エステル 12歳 レベル8 ポーション錬成。ラッシの妻。

アルゥラ 10歳 レベル0 火スキル、アルヴォの実妹。


エモル村の四人は、ふた家族扱いとし、ラッシを代表に契約を行った。

彼らは、公爵家領での鍛冶・錬金活動条件プラス期限なし契約を希望した。

後日談によると、彼らの希望通りの契約となった。

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