第2話 動機も証拠もなく、他殺なのかどうかすら不明
☆「動機はあまり重視しない一審」
人気NHKドキュメンタリー「クローズアップ現代」で、恐らく初めてこの「講談社編集殺人」の件を取り上げた。
綿密な取材と客観的な証拠だけを元にしたクロ現らしい放送だったが、
要するに「冤罪の可能性」を示唆しているワケである。
番組で少し驚いた点は、
「有罪にせよ無罪にせよ、動機はあまり重視しないことにしよう」
という謎の見解を、裁判官、弁護士、検察官で事前に話し合われていた、ということだ。
当然、殺人の有罪には「物的証拠」と「動機」が必要なので、早くもみんなで「半分」を諦めた状態でのスタートだったということと、さらに「物的証拠」もかなり乏しいのだから驚きだ。
☆妻の父親「いや、俺は佳奈子は病気で亡くなってると思っている」
被害者、佳奈子の父親は新潮記者のインタビューに、
「いやいや、俺は佳奈子は病気で亡くなったと思っている」と率直に話す。
朴とはあまり面会はしていないようだが、そもそもこの事件は被害者・佳奈子の遺族からも
「公正な裁判をして欲しい」と訴えが出ているのだ。
動機無し、決定的証拠も無し。
被害者遺族からも疑問が出ている「有罪」はどのようにしてできあがったのか。
☆作られていく「殺人ストーリー」
朴の供述では、妻・佳奈子は育児のストレスから包丁で朴に襲い掛かった。
「子供と死ぬ」といって生後十か月の赤ちゃんの眠る部屋に佳奈子が入ったので、追いかけた朴はうつぶせの状態で押し倒し、その時佳奈子は失神してしまった。
その後、朴は別の部屋に他の子共と閉じこもり、ドアを開けると佳奈子は死亡していたという。
しかし、検察官は
「朴が佳奈子を首を絞めて殺し、階段から突き落とした」と主張する。
ここで決定的に朴と検察官側が別の主張をして、有罪になっているのだ。
しかし目撃者も誰もいない事件で、何をもっての「有罪」だったのだろうか?
☆事件の法医学者「自殺か他殺かの判断はつかない」
この事件を担当した法衣学者の岩瀬さんは、
「自殺か他殺なのかの判断はつかない」という証言をした。
法衣学者といっても、全ての遺体の「自殺」「他殺」の区別がつく訳ではない。
ただ、少なくとも「どちらか分からない」という判断だったのは事実なのではないか?
この時点で普通に裁判をやれば「推定無罪」が妥当のように見える。
というか何の根拠も目撃者もいないのだから「推定無罪」しかないのではないか?
動機ゼロ、証拠も欠しい、法衣学者も「判断がつかない」という事件はここから、さらに
検察官の「作り上げた殺人ストーリー」の方向へと強引に向かう。
まるで、足利事件のようである。
そう、この事件は日本最悪の冤罪事件”足利事件”に極めて似ているのだ・・・
【実話】推定の有罪・講談社編集殺人事件は冤罪ではないのか?~証拠ゼロ~ スヒロン @yaheikun333
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