赤の夢
「ん~、今回の実験は、うまくイキそうだね」
「はい。博士」
「いやあ、あやみちゃんはスバラシイっ。まさかここまで、夢を創り上げるとは、思わなかったヨウッ。さっすが、美少女! クキキキキキッ」
「そうですね。博士」
「しかも。紅太郎の夢と融合を果たそうとしている! こっれはスバラシイよ! スバラシイ! いったい全体どうなるんだか」
「よかったですね。博士」
「やっぱりあやみちゃんの夢に食われるのかなあ? それとも、紅太郎の夢が逆転するのかなあ? 紅太郎の夢はまだチンチクリンだからねえ。いやあ~タノシミだあっ! 実にタノシミ!」
「博士」
「ん? ナンだい?」
「紅太郎君……息子さんは大丈夫ですかね。こちらの世界にはもう、戻って来れないかもしれませんよ?」
「ナンで?」
「今回だってほら、あやみの強い夢の絡み合って。あやみは自ら進んで実験体になりましたけど、紅太郎君はあやみの夢に巻き込まれただけだ」
「あ~、いいのいいの。夢、見続けてるぶんには死なナイし。紅太郎だってサ、いつまでも夢の中に閉じこったままだし。それは自分で選んだんだから」
「はあ。まだ実験を続けますか。あんなんじゃもう紅太郎君、自我、保ってられませんよ?」
「ダイジョーぶ! それにボカァ、紅太郎がウラヤマシイよ? あんな美少女のあやみちゃんに、何度も何度も求められちゃあってさあ! カアーッ幼馴染って、いいねえッ! クキクキクキキキキッ」
「うらやましい、ですか。そんなに画面に近づくと目、壊しますよ。じゃあ、紅太郎君はいいとして、他の二人はどうします?」
「あ、あの~、彼。ん? 彼女? どっちでもイイけどさ。イイじゃないの、蓮。また巻き込まれただけのモブかと思ったけどさ。紅太郎のへの熱い思いッ! アレはレアだよお? 蓮の夢も監視しといて」
「はい。空はどうしますか?」
「え~、空のほうはいいよ。結局、彼はあやみちゃんの悪夢に取り込まれちゃったワケだし。バケモノの姿がお似合い。キョーミない。
「意識はまだ残ったままですけど、身体のほうは処理しちゃいますね」
「さあさあさあッ、ドウナルそうなるコウナルッ?! あやみちゃんの夢と紅太郎の夢の混じり合いはスゴかったっっ! 今回はあやみちゃんが勝ったけど、次はどうなっちゃうんだろうねエッッ?! 夢革命は始まったバカリだよう。滾る熱血、悪夢のバトルロイヤルッ! 追うか逃げるか、食うか食われるかッ?! さあ~、ドウナルッッ?!」
「博士」
「ん~? ナンだい」
「その記録、なんだか読みにくくないですか? 箇条書きばかりで、無駄な描写も多いし……」
「ソウかい? 後で直しておいてヨ。それじゃあ、13回目の実験を始めようか。登場人物をコピーしようッ」
赤い夢 コピー12 あかぐま @aka-guma
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