第百三話 捉え方・見え方
俺たちがこっちにきて、天照様とウンディーネ様と話しはじめてから結構経ったが、未だに噂の出どころや、なんで魔王がこの世に生まれたのかは分かっていない。
今わかっているのは、女神様は世界に存在するものの意識を変えることができること。さらにその力には女神内でも強弱があること。
「ちなみにウンディーネ様も心当たりはありませんよね。なんか、こいつ裏でちみちみやってるな。とか面倒でも、こいつならやりそうだなって女神様」
結笑は話をウンディーネ様にふる。しかも、結構攻めた質問をした。ウンディーネ様は、結笑の質問に少し驚いたような顔をしながらも、少し考えてから教えてくれた。
「女神たちだと言っても、住んでるところや不思議な力が使えるだけって、違いだけだからね。あとはほとんど人間たちと同じだよ。まぁ、それはアイリスやアテナと一緒に生活してるならわかってると思うわ」
「えっと、結局どういうことですか?」
ウンディーネ様の答えが理解できなかった俺は思わず聞き返してしまう。流石にもうちょっと教えてくれないと理解できない。
「結局、私はなんとも言えないってことよ。この世界の女神たち9人の性格とかは、大雑把には分かるけど、そこから何を考えて行動してるかは分からないってこと。例を挙げるとすれば、さっき天照様がアイリスを急に甘やかしたくなったって話あったでしょ」
「はい、それがどうしたんですか?」
話が急に少し前まで戻りびっくりする。ここであの話に戻るのか。俺と結笑が覚えているとかを確認してから、ウンディーネ様が続ける。
「あの話には続きがあるんですよ。アイリスに
「あっ、ちょっと!」
珍しく天照様が焦って話を止めようとするもウンディーネ様はもう止まらなかった。
「アイリスに意識を変えられそうになっていた事に気づいた天照様は、アイリスの頭の上に手を伸ばして、そのままアイリスの頭を
「あれは、アイリスなんかに私の意識を変えてられそうになった事に腹が立っただけで、、、」
ウンディーネ様は面白そうに、天照様は珍しく恥ずかしそうに話している。
「まぁ、だから話をまとめるとね。普段は落ち着いてる天照様だって、自分の神童であるアイリスに意識を変えられようになったら、思わず頭を
「「あぁ〜、そういう事ですか」」
結笑と声が被る。それぐらい俺たちには、わかりやすい実例だった。
俺たちの追っている話の全貌の中の一つかもしれないが、やっぱり女神たちは、いろんなとこをいろんな方面から見ておられるんだなって思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます