第百一話 状況報告


「自己紹介も終わったことだし、本題に入りましょうか」


「わかりました。今日はお願いします」


 ウンディーネ様とも自己紹介が終わり、こっちにきてからやっと本題に入るとこになった。天照様が話を仕切ってくれるので、とても話しやすい雰囲気となる。


 しかし、俺と結笑でどちらが説明するのかで、一瞬2人で見つめ合う。その後、結笑が天照様とウンディーネ様に説明をしはじめてくれた。


「今回、天照様方に話を聞いてもらおうと思ったのは、魔王についての情報です」


「魔王のことですか。それなら、今日こちらにくる時もいいましたが、前話しませんでしたか?私たちも知っていることは少ないって」


 結笑の言葉に不思議そうに頭を傾げる天照様。それに対して、結笑が真央のことも含めて、説明していく。俺は知っていることなので、別に聞き流しても良いのだが、天照様もウンディーネ様も結笑の話をちゃんと聞いていた。


「それでは、その子が魔王だというのですね。私も確認させてもらいましたけど、それで間違いないですね」


「へぇ〜、その子がねぇ。普通に人間の男に見えるのに、不思議なこともあるんだ」


「はい。それで私たちは出来るだけこの子を殺したくはないんですよ。だから、魔王は討伐しないといけないって、世界中に意識付けた人を探してて、天照様、ウンディーネ様に心当たりないですか?」


 結笑の言葉に天照様もウンディーネ様も考えるように首を傾げている。というか、これ俺ここにいる必要あったのかな?もう隣で真央も寝息立てているし、、、はっ、まさか俺は真央のもたれ掛かるための壁としての役割だったのか!


「護くん、何考えてるの?「そんな閃いた!」見たいな顔して」


「あぁ、ごめん。真央の寝顔が可愛くて」


「そんなこと考えてたんだ」


 結笑に少し呆れたように返されてしまう。仕方ないじゃん。暇だったんだもん。俺の様子を結笑に見られていた事に驚くと同時に少し恥ずかしい。だって、だれもこっちなんて見てないと思うじゃん。


「それで、何か思いつきましたか。私たちも何もわからないままですし、情報が少なすぎるから「何も分からない」でも、良いんですが、、、」


 俺が自分の中で言い訳を唱えていると、ずっと考えている女神様方に結笑が声をかける。


「一応、考えは浮かんでいるのですが。確信が持てなくてですね。ちょっと言うのが難しいと言いますか」


 ウンディーネ様がその質問に対して、言いづらそうに答える。それに天照様も同意するように頷いている。


「なんでも良いんで、教えてください!」


 結笑が頼み込むと、2人は顔を見合わせるようにしてから、天照様が話してくれた。


「女神たちは、世界に存在するものの意識を操作することができるんですよ」

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