第百話 無駄話と2人目


「初めまして、俺はアイリスの神童で結笑と一緒に旅をさせてもらっている神童護と言います。こっちは今日の話中心になってくる真央です」


「よろしくお願いします!」


 俺の紹介に真央も元気よく挨拶する。本当こういうとこ癒される。


「はい、分かりました。私はさっきの結笑の紹介にもあったように天照です。女神です」


「はいはーい、最後は私。勇者してます、湊天結笑です!最近のマイブームは串焼きです。よろしくお願いします!」


 真央の挨拶の後、天照様、結笑と自己紹介が続いたが、シンプルで最低限の情報しか言ってない天照様に対して、元気に世間話を盛り込んだ自己紹介をした結笑。


 こういう所が、人と関わっていくうちで重要なんだろうなと思う。でも、結笑って今自己紹介する必要あっなのかな?


 どっち側からも知られてるのにだれに対して?それとも、話の流れの体裁を整えるためかな。3人が喋って、1人ダンマリだったらなんか嫌な気持ちが生まれそうだもんね。そう考えると自分のためか、、、、。


「結笑、その串焼きというやつはアイリスが好きなものですよね。美味しいのですか?」


「はい、すごく美味しいですよ。私は全然気にならなかったけど、アイリスさん曰く、国ごとで少しずつ味が違ったりとか、大きさも違うらしいですよ」


「そうなんですか。アイリスはそんな領域に辿り着くまでにかかったお金。さらにこれからかがるだろうお金はどこから出ているのでしょうね」


 妙な威圧感のある天照様に、俺はここぞとばかりに告げ口しておくことにした。


「俺たちの財布からです。今は俺とアイリス、真央で一緒に使ってます、一応俺が管理してます。だって、アイリスにでも持たせたりきて、無くされたり、財布の中身を空っぽにされたら、最悪だから」


「あぁ、やっぱりですか。これ再度言い聞かせる必要がありますね。結笑にまた体を借りることになると思いますが、よろしくお願いしますね」


「うん、任せてよ!」


 これで、天照様に怒られることが決定したアイリスを、心の中で笑ってやる。せいぜい、今知らないうちに楽しんでおくんだな。


「もう、真面目な話してるますか〜。ごめんなさいね。ここにくるまでに少し時間かかっちゃって」


 アイリスを俺の心の中で見下ろしてたら、またもや、知らない女の人が現れる。でも、俺はこの声を聞いたことがあった。


 そう、1番最初にメアナにアイリスを押し付けた時に聞こえた声だ。という事はこの女の人は。


「あっ、ウンディーネ様もお話聞いてくださるんですか!ありがとうございます」


「いやいや、今は誰かさんのおかげで、暇だから良いですよ。結笑は前回会いましたね。護さんと真央くんは初めまして、メアナに加護を授けている水の女神ウンディーネです」


 その自己紹介に俺たちは天照様と同じ流れを繰り返すのだった。

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