第九十三話 【【万能眼】】
カリンさんの言葉に俺と結笑の言葉が重なった。
「はい、私のエクストラスキルです。スキル【鑑定】がレベル10になりまして、進化したんです。私が見ようと思ったら、相手のステータスがほとんど見えるんですよ」
「「「なんですかそれ!」」」
今度は俺と結笑の他にメアナの声も被る。なんか最近こんなことばっかだな。でも、これは仕方ない。カリンさんが見ようと思えば、自分のステータスが見られてしまうのだ。隠し事もできないし、対策もできないから怖すぎる。
「まぁ、そういうことで任意の人のステータスが見えるんですよ。だからあなた達がどれだけおかしいパーティーかちゃんと信じれるんですよ」
「ちなみに今私のステータスってどれぐらい見られているんですか?」
結笑が怖いもの知らずで、俺たちが気になっていたことを聞いてくれる。それにカリンさんは嫌な顔せずにちゃんと答えてくれる。
「名前とスキル。それに称号ぐらいですね。レベル10になってるスキルのエクストラスキルは見えません」
「じゃあ、ほとんどギルドカードの内容と同じ感じなんですね。他にも人のステータスで見えるものってあるんですか?」
結笑がカリンさんのスキルを深掘りしていく。というか、俺たち以外にもエクストラスキルって持ってる人っていたんだな。どれだけ鑑定を使ったんだろうか。
「あぁ、深く見るとスキルの詳細とかも見えますね。だから、相手が何しようといているのかも分かる時があります」
「やっぱり凄いスキルですね。それで俺たちはカリンさんが見てどう思ったんですか」
「それは最初言ったようにおかしいパーティーですよ。勇者に王女、神童に女神がいるなんて」
やっぱり、この人には俺の称号も見えているらしい。あと気になったんだけど、アイリスやアテナの女神って称号なのか?
「ここで話に戻りますね。勇者様は何をしにこのギルドに来られたのですか?」
さっきまで柔らかく話していたカリンさんの雰囲気がガラッと変わり、真面目に結笑にそんな質問をしてくる。結笑は一瞬考えたように黙ってから答える。
「えっと、魔王の情報を聴きに来ました」
あっ、ちょっと嘘ついた。多分普通にギルドの依頼を受けに来ました。じゃあ変だと思ったのかな。魔王の情報も嘘ではないけど普通に答えればよかったんじゃないのか?
「え〜、依頼受けに来たんじゃないんですか〜?」
「そうなのですか。なぜ私に嘘をついたのですか?」
アイリスによって速攻でバラされる嘘。俺はアイリスを睨んでいる結笑に同情した。
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