第九十一話 この流れって


「やっぱり、ギルドの依頼って場所の特徴でるね。ここは素材とか珍しいものとかが多い気がするもん」


「あっ、やっぱり?ラト国の色んなところに言ってる結笑が言うならそうだよね。俺特定の場所にしか行ってないから、言っていいのか不安で、、」


「いやいや、3、4件ぐらい行ってたら結構行っていると思いますよ。ほとんどは自分の住んでる所ぐらいしか行きませんしね」


「えっ、そうなんですか?」


「そうですよ。逆に護さんや結笑みたいに色んなところを巡ってるのが珍しいんです」


「へぇ〜、そうなんだ」


 この情報には結笑も驚いている。3つも巡れば珍しい方なんだな。だから、違うギルドで顔見知りと会うことが少なかったんだななんて思う。


「依頼書の大まかな確認が終わったから、カウンター行きましょう。ここで止まってても迷惑でしょうし」


 俺たちが話していると珍しくアテナが俺たちを進行する。珍しく。けど、言っていることは正しいので俺たちはカウンターに移動することにした。


 そして、最初に結笑とメアナがラト国国王の紹介状を受付嬢に差し出した。それを見た受付嬢はやはりというかすごく驚いた顔をして、結笑とメアナの顔を見る。


「っ!少々お待ちいただけますか。確認して来ますので」


 そう言って受付嬢さんは奥に引っ込んでいく。その様子を見た真央と結笑、メアナは不思議そうにしている。


「なんで、奥行っちゃったの?」


「なんでだろうね。なんか悪いことしちゃったかな?」


「いや、私たちは悪いことをしてませんよ。してるとしたらアイリスさんやアテナさん。それに護さんぐらいです」


「それもそうだね」


 なんか急に俺たちに辛辣なメアナと結笑。というか、なんで驚かれてるのか分からないのはおかしいでしよ。考えて!あなた達の立場。


 俺は少し受付嬢さんに同情しながらも帰ってくるのを待つ。途中アイリスが逃げ出そうとするので大変だった。こいつに逃げられては俺が困る。だって、引っ張られてしまうから無理矢理にでも引き止める。


 なんか最近腕の筋肉が肥大化してるのは気のせいだろうか?


 まぁ、そんな攻防があったが少し待つとさっきの受付嬢が帰って来た。


「確認が取れたので結笑様とメアナ様はこちらにどうそ。後の方はこちらでお待ちください」


「嫌です。みんなで行ったらダメなんだったら、私行きません」


 俺たちが待っといたらいいだけの話だったのに結笑が反論する。少し寂しかったところではあるので、反抗してくれたのは少し嬉しい。


「わかりました。では皆さんでお越しください」


 結笑の反抗に対して、丁寧に対応する受付嬢さん。さっきの紹介状見た時の反応が嘘みたいだ。


「では、ギルド長室にご案内しますね」

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