第九十話 翌日
「起きて、護くん、真央くん。今日はギルドに行くんでしょ」
朝から結笑の声がする。でも、昨日はアイリスに振り回されたことにより、疲れているのだもう少し寝たい気持ちが大きい。
「うーん、あと5分。というか、今日も休みにしよう、、、、」
「そんなことさせません。そうやって、期間を延ばしていくと絶対最後までやらないから。はい、起きる」
結笑はそう言いながら、勢いよく俺たちの布団を捲る。そして、一瞬止まったかと思うと急に目の前が明るくなった。
「「あぁーー」」
「はい、護くんも真央くんも起きた起きた。次メアナとかの部屋に行くから、外行く準備しといてね」
「はい、、、、」
結笑の鋭い笑顔がこちらを向きながら、俺たちに言葉を放って部屋を出て行った。あの状態になった結笑は本当に怖い。すごく怖い。あれをさらに噴火させないためにも、結笑が戻ってくる時にはちゃんと準備しとかないといけない。
「ほら、真央。しっかり起きてギルド行く準備するよ」
「うぅー」
結笑にあそこまでされてもまだ眠そうである真央をしっかり起こしてから、俺たちは着替えたり身だしなみを整える。
「真央は準備終わった?」
「終わったよ!」
真央は、昨日の買い物で買った服を自慢げに着て、胸を張っている。流石に前まで着ていたボロボロの服っていうのはないし、真央の意見をほとんど通す感じで選んだのだ。
準備が整った俺と新しい服を着てノリノリの真央は部屋を出る。どうやら、結笑の向かったメアナ達の部屋の方は準備がまだらしく、俺たちは部屋の外で待つことにする。
中から聞こえてくるのは、アイリスを結笑が苦労して起こしている声だ。あいつ本当に周りに迷惑しかかけられないのかな。
んっ?ちょっと待て、アイリスを呼び起こす声の中にアテナという名前もある。もしかして、女神2人揃って寝坊してんのか?それはやばいな。
結局、俺たち全員の準備が整ってギルドへと出発したのはもう昼前になってしまっていた。そして、それの原因はやはり女神2人組だったらしく、結笑のアイリスとアテナに対する当たりが今日はいつもよりきつい。
「大っきいな」
さすがミロナン。商業大国だけあってギルドの建物の大きさもかなりのものだった。この国には他にも同じようなギルドがあるみたいなのだが、全部がこんな感じなのかな。
まあ、流石にロミオン商会の本店には勝てないが他の建物に比べて格段に大きかった。
さらに人も多い。もう昼なのにホールは結構な人で賑わっていた。その中で俺たちは最初に依頼板のところに行ってみようという話になったのだった。
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