第八十八話 顔合わせ
「大丈夫!?」
俺たちが宿に帰った時の結笑の驚きようと言ったら凄かった。それもそのはず、いくらスキル【不死身】の力があると言っても流石に服までは直せない。だから、服が血だらけのボロボロになっているのだ。
「大丈夫、大丈夫。これ服だけだから、俺の体はもう治ってるし」
「「本当に?」」
結笑と真央が疑いの視線を向けてくる。2人のシンクロさが少し面白いと思いながらも、心配ないと答えておいた。
「あの〜、すみません。さっきから気になっているんですが、その子誰ですか?護さんに懐いているように見えますが」
「あー!それ私も気になってました。誰ですか?誘拐でもしてきたんですか?」
「まさか!もう2人の子どもが、、、、」
「違う違う!そんなのじゃない。誘拐なんてしてないし、メアナさんに至っては何言ってるんですか!」
「私と護くんの子ども、、、、」
俺たちの話が一段落した後に真央に対する三者三様の意見が飛んでくる。結笑に限ってはなんか隣でボソボソ言っているし、この空間にはまともな奴がいないのか?
俺はため息をつきながら、みんなに今日の出来事と真央に関する俺たちが知っている事を説明する。あっ後、結笑が天照様達から聞いてきた話も伝える。本当は結笑が話せば良いのだが、まだボソボソ言っていて使い物にならない。
「へぇ〜、そんなことがあったんですか。というか護さんは結笑さんのことを結笑と呼び始めたのですか。それなら、私のこともメアナでよろしくお願いします」
「あっ!それなら私のこともアテナでお願いします。なんか1人だけ仲間はずれも寂しいので」
「これまで話を聞いて、思うところそこしかないの?ていうか、メナさんは良いの?メアナなんて呼んじゃって」
「いいんです。結笑がいつもそう呼んでいるので、護さんだけ違うのも変ですし」
「はぁ、わかりました。じゃあこれからは、メアナとアテナで良いですか?」
「「はい」」
なんか、さっきまでの話の内容と全然違うところから入ったことに呆れながら、俺は話を戻すことにする。
「まぁ、これから真央も一緒に行動するので、一人ずつ自己紹介お願いします」
「私はメアナです。メアナお姉ちゃんでお願いします」
「私はアテナ。私もアテナお姉ちゃんでお願いします」
・・・
後1人足りない気がする。そう、アイリスが自己紹介してないと思いそちらを向いてみる。すると寝息を立てて眠っていた。こいつさっきまでピンピンしてなかったか?
「あそこに寝てるのがアイリスな。あいつなんて呼び捨てでいい」
「メアナお姉ちゃん、アテナお姉ちゃん、アイリス、、、後お兄ちゃんと結笑お姉ちゃんね!」
真央の確認のような言葉に俺たちはほっこりした空気にある。いゃ〜、このパーティーにもついに癒し枠が誕生したのか、、。しみじみそんなことを感じる。
これまではそんな奴がいなく、いつも何かが起こっていたのでたまに癒しがある生活もいいな、なんて俺は思うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます