第八十六話 えっと、、、
結笑が俺に話した話は、この世界の女神様達は、元々は役目とか何を司るとかなかったそうだ。それを作ったのはこの世界の人々であって、自然と定着したらしいのだ。
その話を聞いて俺は思った。この話を裏返せば、人間の意思によって女神の力関係を崩したり、新たな神たちを生み出すことすらできる。女神という存在はある意味不確定要素であり、曖昧なのだ。
その中でも10人の女神様は運が良かったのか、悪かったのかこの世界の人々に知られ祀られるようになってしまったらしい。
「お兄ちゃん?」
「あぁ。ごめん、ごめん」
どうやら、難しい顔をしていたらしく男の子から心配されてしまう。
「えっと、何くんっていばいいのかな?」
「この子名前ないんだよ」
「えっ、それならどうしょっか?これから一緒に行動するなら、絶対に呼び方はあったほうがいいしね」
「そうだね。じゃあ、結笑がつけてあげてよ。俺ネーミングセンスないし」
くいっくいっ、、じー。
そういった時に隣にいる男の子からの視線を感じる。というか、服を引っ張られたしなんだろうか?
「この子は、護くんにつけて欲しいみたいだよ」
「えっ?そうなの?」
コクン。
男の子から返事の代わりに頷きが返って来る。うーん。俺本当にネーミングセンスないんだけどな。
そうは言っても、俺がいいと言われてしまったものは仕方ない。俺は男の子と結笑を前にして、名前を考える。
「こほん、この子は次郎でどうでしょうか」
俺たちの間に沈黙の時間が流れる。その後返ってきたのは、2人からの冷ややかな目線だった。
まだ結笑は分かるけど、男の子からもそんな視線を与えられると困ってしまう。ちゃんと考えたはずなんだけどな、と思いながら俺はもう一度考え直す。
「えっと、じゃあ五ヱ門!」
「ゴット!」
「
「、、、、、、、、
「いいじゃん!真央くん」
こくん!こくん!
結構な俺の案の中、唯一結笑と男の子の反応があった名前になる。これをもって、男の子の名前は
けどまぁ、男の子改め、真央も結笑も納得しているので安心しての決定だ。ちなみにこれは、決めるのに疲れたとかどれでも良くなったとかじゃない。絶対に。
くんっ!
そんなことを考えていると、不意に俺は引っ張られるような感覚に襲われるのだった。
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