第七十六話 勇17 押し付けちゃお
驚いている護くんに私は、獲得したエクストラスキルの説明をする。
私がスキルの説明を終えて、護くんの方を見ると、凄く深刻そうな顔をしていた。
「結笑、それって誰にも言ってないって、さっき言ってたよな」
そして、そんな質問が返ってくる。理由がわからないが、なんでそんなこと聞くんだろうか。素直に答えると安心した様子だった。
そのあとは、誰に代わってもらうかの話になったのだが、代わってもらう相手なんて、1人しかいないだろう。
と、言う事で、
「ごめんなさい!少しだけ、少しだけ、代わってもらうことは出来ないでしょうか?!」
次の日の朝、護くんは、メアナに頼み込んでいた。
「えっ、えっ?どうゆうことですか?」
当然、何が何だか分からないようだが、頑張って話をまとめる。主に護くんが。
でも、やっぱり弱腰なところがある護くんに、たまに援護しながらやっとメアナに了承をもらう事ができた。ちなみにメアナにもスキルの説明をしたら凄く驚いていた。
そして、メアナの口から出た言葉はこれだった。
「はぁ〜、分かりました。分かりましたよ。引き受けます。でも、一日だけですからね。それと、アイリス様とアテナ様には、それとなく誤魔化しとくから」
この言葉を聞いて、私はお礼の後にスキルを発動する。一応確認しとこうと思って、確認すると、護くんの様子がおかしいことに気づく。
なんか、変なこと喋ってるんだもん。なんか、失敗しちゃったかなって思ったら、どうやらウンディーネ様の加護が移動したらしい。そりゃ戸惑うわ。
そんな、問題も発生しつつ、私たちは出発する事ができた。
「そんなに、目立った情報はなかったね。各国の勇者の名前も聞いたけど、忘れちゃったし。魔王の情報なんて、1ミリもなかったしね。魔王の居場所、知ってる人いるのかなぁ」
しかし、出発したは良いものもこの有様だった。結局このままやっても、意味ないだろうって考えになって、2人でデートすることになった。護くんは否定してるけど、男女2人きりで出かけるのはデートと言わずになんと言うのだろうか。
『暇になったのなら、教会に来ませんか?』
ワクワク気分で、歩いている時に急に声が聞こえて私は立ち止まる。どうやら天照様が、行き先を提案してくれたらしい。私は別に断る理由もないので、護くんに提案することにした。
ちなみに、教会では意識下の中でみんなが会える?らしい。しかも、天照様が案内までしてくれるみたい。どんだけ来て欲しいのだろうか。
天照様のあんないに従って歩いていると、目的地が見えてくる。
「もう少しで着くみたいだよ。あの今見えてる白い建物だって」
最初の場所からそんなに遠くなかったな。迷わなかったし。
私たちは、教会に入ってからのことを天照様に聞いて教会の扉に手をかけて、開いたのだった。
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