第六十九話 納得、そして発動
「えっ、えっ?どうゆうことですか?」
俺に朝イチでそんなことを言われたメナさんは話を理解できていない。それも当然だ。だって、朝から部屋に呼び出されて、何の前振りもなく、こんなことを言われているのだから。
「えっと、今日街に、各国の勇者様の話を聞き込みに行こうと思っているんです。それでアイリスを連れて行くのはだるいから、お願いできないかなって」
俺は、すぐさま補足の説明をする。
「すみません。まだ、理解できないのですが。私は何を代わればいいんですか?」
「アイリスの神童です」
「はぁー?」
怖っ!メナさんが、すごい顔をしてこっちをみている。無茶なお願いしてるのは分かるけどやめて下さい。僕、漏らしちゃいます、、、。
「そんな顔しなくてもいいじゃん。私が護くんと2人で行きたいってお願いしたの。散策中に、私たちが住んでた世界の話聞いてても、アイリスさんつまらないでしょ。それなら、好きなところに行けたほうがいいじゃん」
そんな俺の様子を見た結笑が、加勢してくれる。そうだ、いけ!メナさんを納得させるんだ!
「一理あるところがなんとも返し辛いな。でも、まず神童を代わるって、どうゆう事なの?それも理解に苦しんでるんだけど」
メナさんの気が傾いてきたところで、俺たちは昨日の説明をする。一応この部屋にはアイリスもアテナさんもいない。あいつらは、どこで口を滑らすか、分かったもんじゃないからな。
「なんですか!そのスキル!」
説明を終わった時のメナさんは、当たり前だが驚く。まぁ、そうだよね。言っちゃえば、相手から好きなものを強奪したり、相手に押し付けることができるんだもんね。
「これなら、アイリスさんの神童を代えることが出来るんだよ。ねぇ、協力してよ。今日一日だけだから」
結笑から総括の一言が入る。この言葉がメナさんに届いて欲しいものだが、、、。
「はぁ〜、分かりました。分かりましたよ。引き受けます。でも、一日だけですからね。それと、アイリス様とアテナ様には、それとなく誤魔化しとくから」
「ありがとう。メアナ!」
「ありがとうございます、本当に助かります」
「まぁ、護さんはこっちにきてから、ずっと離れてないらしいですし、今日は十分に羽をのばしてきてくださいね。あっ、でも伸ばし過ぎたらダメですよ」
「じゃあ、行くよー」
メナさんの話が終わった瞬間に結笑がスキルを発動した。他人のスキルが、自分に干渉するとなんか変な感じだな。
「多分できたと思うけど、大丈夫?なんか変なことになってない?」
スキルの発動を終えた結笑が俺たちに聞いてくる。それに俺が返事を返そうとした時だった。
『んっ?なんか、今一瞬変な感じがしましたね』
「えっ?誰?」
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