第六十六話 どうして、こうなった。


「じゃあ、それでお願いします!」


「わかりました。では、料金をもらいますね。これは、部屋の鍵となります。3人部屋はこちらの部屋ですね」


「はい、分かりました。3人部屋がこの鍵ですね」


 俺の声じゃない、俺の意思に反した声が受付を済ましてしまった。さらにお金まで払っているので、もう後戻りは出来ない。


「これ、部屋の鍵だって。これ、アイリスさんとアテナさんとメアナで使ってね」


「いやいや。この場合、アイリス様、アテナ様、護さんの1部屋と私と結笑の1部屋でしょ」


 珍しく、メナさんが焦っている。しかし、それは俺も一緒だ。流石に結笑さんと2人部屋というのは気が引ける。


「俺もその案に賛成だな。結笑さんは、メナさんと泊まったら?」


 そんな俺たちの意見を聞いて、受付を済ませた、当の本人である結笑さんはニコニコしながら言った。


「私は、護くんと同じ部屋がいいな!」


「いいですね!これが、らぶすとーりーというやつですか、、、。私は結笑を支持いたしましょう」


 アテナさんが何故かその意見に賛成する。反論はあるが、まずラブストーリーは合ってないだろう。


「私も、それでいいと思いまーす。早く部屋に行って寝たいですし」


 さらに何も考えてないだろう、アイリスが賛成する。本当にこいつは、ちゃんと考えてから発言してほしいものだ。


「いやっ。でも、やっぱり私たち三人というのは、、、」


 メナさんが珍しく狼狽えているが俺たちは少数派になってしまった。結笑さんもアイリスが賛成した時に小さくガッツポーズしてたし、、、。


「じゃあ、これで三対ニだね。部屋割りは私と護くん。アテナさん、アイリスさん、メアナで」


 そういうが早いか、結笑さんは俺の手を引いて宿の部屋に向かっていく。俺はちゃんと明日の朝を迎えることができるのだろうか?


 そして、俺は女神と思ってないが、この世界の人間であるメナさんが、女神達に挟まれて過ごせるのか。ストレスとか大丈夫かな。


 なんて、他人の心配をしてしまうのだった。他人の心配をする余裕なんてないくせに。


 宿の部屋は、とても綺麗で清潔感があった。よくキャンプなどで利用する、ログハウスの一部屋みたいな部屋だ。


 そこにベットが二つ置いてあって、あとは何もない。シンプルゆえにすることがない部屋だった。


 俺たちはまず荷物を置いて、ベットに座って一息つく。


「さぁ、なにしよっか?」


 静かな部屋の中に、結笑さんの楽し気な声が響くのだった。


 本当になにしよう、、、

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