第六十五話 商会からの帰り、
俺がクリスさんとの話を終えて、商品売り場に戻ってみると、みんながみんな、カゴが大変なことになっていた。あのちゃんとしたメナさんが見ているのに結笑さんのカゴも凄いことになっている。
この量を買うと結構な金額になるだろう。でも、さっき臨時の収入が入ったばったりだし、ここは大目に見るとこにしよう。
俺はアイリスとアテナのカゴが合わせて3つもあることに驚きながら、会計を済ませてクリスさんにお別れをして店を出る。
これからもロミオン商会にはとてもお世話になることだろう。もちもんクリスさんにもだが、その他の支店の従業員さんたちにも、これから末永くよろしく、と俺は心の中で伝えておく。
しかし、伝えている最中にアイリスからの邪魔が入る。
「護さーん、重いです、、、。持ってくれませんかぁ」
「お前達が買いすぎただけだろ。買っただけで満足しろ。自分のものなら自分で責任持って持って帰れ」
馬車と店の間で、アイリスが愚痴を垂れているがそんなの知ったことじゃない。結笑さんやメナさんも少し重そうにしているが頑張ってもらおう。
自分で買った物だしね。俺のアイテムボックスに入れたら、これからも何も考えずに買うことになるだろうしね。ちゃんと、量のことは考えてもらわないと
「護くん。これからどこにいくの?」
荷物を馬車に置いて、俺の隣に座った結笑さんが聞いてくる。
「今日は、もう宿に行こう。明日も休みにして、明後日から活動を開始しよう。それまでは各自で自由ということで」
「わかった!じゃあ、宿探しだね」
「それだけど、いい宿をクリスさんに教えてもらったから、そこに行こうか。道は紙に書いてもらった。流石に覚えられないからね」
「そうなんだ。よかったね、泊まれる宿がなくて、路頭に迷うことにならなくて」
結笑さんが少し怖いことを言う。本当にこんな商業大国なら宿が全部埋まるなんて、あるかもしれないからな。その場合、一旦王国を出で外で野宿って事になるのか?
俺は更なる怖いことを考えてしまう。いかんいかん、悪いことを考えると本当にそうなってしまう。
俺たちは、馬車でクリスさんに教えてもらった宿へと向かう。到着した宿は豪華すぎず、ボロボロすぎない、いい感じの宿だった。
「すみません。3部屋借りたいんですけど、空いてますか?」
「、、、すみません。只今、使用できる部屋が2部屋しかない状態でして」
「そうですか、」
どうしよう。本当は3部屋で俺、後女性陣4人で2部屋にしたかったのだが、ふた部屋しか空いてないらしい。少し、惜しいのだが、別のところに行こうとした時だった。
「じゃあ、それでお願いします!」
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