第六十二話 勇13 商品


 凄〜、、、。


 私はロミオン商会の本店にある、商品を見て感心していた。これまでラト国の雑貨屋などは見てきたのだが、ここまでの商品と品質。そして、安さを兼ね備えている店はここが初めてだ。


 さらに、私の知らない商品も多くあり、楽しく見てまわっている。


「メアナ、この石なに?結構高い値段で売られてるけど?」


「あぁ、それは強奪石ごうだつせきと言って、自分以外の放つ魔法を自分の制御下にできてしまう、石だよ。奪える魔法のレベルによっても値段は変わってくるよ」


 そう言いながら、メアナは少し上の棚を指差す。そこには、私が見ていたのと同じ石のはずなのに値段が2倍以上のものが並んでいた。


「魔法以外を奪う以外にも、反射する反射石はんしゃせきや一回身を守ってくれる身代わり石みがわりせきみたいなのがあるね。石関係なら」


「全部同じ石に見えるのに、そんなに種類があるんだね」


「まぁ、石に付与しているようなものですからね。効果の魔法を」


「えっ。じゃあ、売ってる店ボロ儲けんじゃん。いいところに目をつけたんだね」

 

「そういうわけでもないんだよ。結構珍しい魔法なんだよ。さっき言った三つの魔法は。だから、色々とかかってくるんだ。お金が」


 みんなが、みんなさっきの石の効果を与えられる魔法使えたら、売ってる意味無くなるもんね。重要のない商品を売るって、無駄なだけだしね。


 そう思いながら、教えてもらった石をカゴに入れる。何かに使える時が、あるかもしれないし。値段は他のものと比べると、少しお高めだが、ラト国でギルドの依頼を受けていた分がまだ残っている。


「ちょっと待って〜。アイリス〜」


 そんな時アテナさんの声が聞こえる。それと同時に階段を上ってくるアイリスさんを発見したので、置いて行かれている状況なのだろう。


 この光景って側から見れば完全に親と子供だよね。そう思わすアイリスさんって凄いな。私は変なところで感心する。


「アテナ様大変そう、、」


 そばで静かにつぶやく、メアナをみてやっぱりそう考えるよね。なんて、静かに心の中でも思ったのだった。だって、口に出しちゃったら、仮にも女神様であるアイリスさんを落とすことになっちゃうからね。


 まぁ、もうほとんどそんな気持ちなんて、残ってないんだけど。本当にこっちにきてから、ずっと一緒にいる護くんって凄いな。あのアイリスさんを制御するなんて、、。


 最近はそれも諦めつつあるけど、それでもだよね。ここまで、考えるとアイリスさんが羨ましいな。


 そんなことを考えても、仕方ないので私たちは買い物を再開する。メアナの欲しいものがあったり、目についた商品をカゴに入れていくと、結構な量になってしまった。


 これ、護くんに怒られないかな、、、。

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