第六十一話 勇12 ミロナン王国へ
私は、1通の封筒を持って浮かれていた。これで、やっと出発できる。私と護くんの旅が!
「護くん!紹介状が出来ました。明日出発しましょう!」
護くん達が泊まっている宿の扉を開けて、そのことを報告する。その時の護くんの顔ときたら、すごく驚いた顔をしていた。急にドア開けられて、明日出発!って言われてもびっくりするよね。
けど、仕方ないじゃん。早く出発したかったんだもん。ラト国にいる時は、流石に一緒の部屋には居られないし、ずっと一緒にいられないんだよ。それなら、旅にでて、いやでも一緒にいられる方が嬉しいよね。
出発にあたって問題はあったけど、国王様がなんとかしてくれました。こういう時勇者様っていう肩書きって良いよね。少しぐらい、わがまま言っても良いもんね。
ということで、無事に出発できたは良いものの、馬車の席のせいで護くんの隣座れないんだけど!
そのくせ、メアナは座ってるし!なに、馬の扱い方教えるためってずるいんだけど、、。
結局、私が座れるようになったのは護くんが安定して馬が扱えるようになってからだった。
その間は、夜に護くんのテントに忍び込んで見たりしたけど、まだ理性が残ってたよね。護くんの寝顔が見られただけで、収穫がありました。はい。
あと、ナイスな働きをしたのがクリスさんという人だった。その人の荷物を運ぶのを護くんが手伝ってくれたお陰で、私が護くんの隣に座れる時間が増えたのだ。
ナイス!クリスさん!!
そう、心の中で思ってたのに。メアナの余計な一言によって、その時間も潰されてしまった。私も結構最初の方にアイテムボックスの件は、気づいていたけど口に出したらいけないでしょ。
お陰でスムーズに進んでしまったではないか。このまま着いちゃうのかな?って思ったところでアイリスさんが吐いたのは、びっくりしたけど。まぁ、そのおかげでミロナン王国に着く日が、1日ずれて野宿する日が増えたのは予想外のいいことだったけどね。護くんの寝顔を拝見する日が増えたってことだし。
しかし、着いてしまうものは着いてしまう。検問があって身元とか確認されるらしいけど、私って勇者だけど普通にどうれるのかな?
前でアタフタしているアテナさんを前にしてそんな事を考える。メアナも普通に通れてるし大丈夫かな。
私のそんな軽い考えも当たり、検問を普通に通ることができた。勇者としていう肩書きってそんなに重くないのかな?
後ろを振り返ると、護くんが止められている。私は、通れて護くんが止められるって変だよね。
その後、護くんと忘れられていたアテナさんを拾って私たちはロミオン商会へと向かうのだった。
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