第五十四話 問題だらけのパーティー
「護くん!紹介状が出来ました。明日出発しましょう!」
部屋のドアが開いたと思ったら、突然結笑さんの声が響いたのだった。
そして、その言葉通り俺たちは次の日には出発していた。
いや、いくらなんでも早すぎないか?
あの後、すぐに準備が始まり、すぐに済んだ。だって、1週間前には、ほとんど済ましてるからね。そこから、サラさんたちに挨拶に行ったりしていたら、すぐに今日になったのだ。
俺たちは今、馬車で移動している。流石にラト国からミロナン王国までは距離がありすぎるからだ。馬車はアイリスに出してもらったけど、問題は馬だった。あと、馬を扱える人も必要だったのだが、それはメナさんが引き受けてくれた。
普通王女様っていったら乗ってる側なのだと思うが、乗馬とかをしていたと聞いたら納得してしまった。そして、その流れで馬もメナさんのお父さんが買ってくれた。
さすが国王様、太っ腹だね。それらの準備が整い、俺たち5人は出発したのだがそこからが問題だった。
俺は、メナさんに馬の扱い方を教えてもらおうと、荷車の前の席に2人で並んで座っていたのだが、そこにグイグイくる結笑さん。そんな結笑さんを、軽くあしらい無視を繰り出すメナさん。後ろで吐きそうになっているアイリスと、何やら鞄を漁っているアテナさんだ。
「護くん、調子はどうですか?ちゃんと出来てますか?出来るようになったら私にも教えてくださいね」
「分かったよ。けど、これは覚えるのに結構かかりそうだな。思ってたよりも難しそうだ」
「覚えればすぐに出来るようになりますよ。というか、結笑の羨望の目から早く逃げたいので護さんは、出来るだけ早く覚えてできるようになってください」
「は、はい、、、」
俺がメナさんに無理難題を言われていたその時だった。
「うぅー、、ヴ
しばらくお待ちください。
テレビではそんなテロップと共に美しい映像で誤魔化されそうな事が荷車の中で起きていた。
「うわぁー!止まって、メナさん!止まって!」
俺が急いで馬車を止めされて、荷車に持っている結笑さんとアテナさんを移動させる。口から食べ物をリバースさせた、アイリスは一旦放置する。
荷物や道具を避難させる。奇跡的なのか、アイリスが最後の力を振り絞ったのかは分からないが、荷物などに被害はなかった。
本当によかった。
しかし、安心するのはまだ早い。この状態をどうするかだ。アイリスも馬車もすごい匂いを発している。俺が困っていると、メナさんがこう言ってきた。
「ウンディーネ様に頼んでみましょうか?」
そうだった!ウンディーネ様は水の女神様ではないか。と、言うことでお願いしてみると想像以上だった。
馬車が丸洗いされ、馬も荷車もピカピカになっている。しかも、洗った後に水気まで取ってくれたので、元通りよりもいいかもしれないという状況になった。
本当はよし!再出発と行きたいが、俺たちは一旦休憩を取ったのだった。
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