第二章前半

第五十三話 現状報告


 魔王討伐に向けて出発して、1週間が経った。しかし、俺たちは未だラト国にいる。なんでって?


 まさかの情報収集を忘れていて、目指すべきところが分からなかったからだ。こればかりは、みんなが確認してなかったのがいけなかった。という事で、出発してからとんぼ返りして情報を集めているのだ。


 しかし、魔王の情報は、女神様方も復活したぐらいの事しか知らなかったのだ。女神様方が知らないという事は、国民も知らないんじゃないかと言う、俺の嫌な予感は1週間の情報収集を経て、嫌というほど実感できたのだった。


 つまり、魔王に関してほとんど情報が無いのだ。みんな、魔王が復活したという事がわかっても、それ以外は分からない。


 じゃあ、なんで魔王を討伐しないといけないのかが疑問になるのだ。もっと町や国を襲っている。侵攻している。などをやっているなら分かるが、そんな声も聞かない。


 せいぜい、魔物が活性化している感じがするといった感じだ。気になったのでアイリスに聞いてみたけど、返事は分からないだった。念のため、結笑さんを見守っているであろう天照様にも聞いてみた結果、天照様でさえわからないだった。


 結局、俺たちは気ままに旅をすることにした。行った先々で、話を聞いてみることにしたのだ。


 ということで、俺たちはまずラト国の北に位置している、ミロナン王国を目的地にしようと言うことで話がまとまった。ミロナン王国は大商業国と話を聞いたため、多くの人が集まっているだろうと言うことになったからだ。


 その決定にあたり、結笑さんとメナさんが国王様に報告した結果、国王様が直々に紹介状を書いてくれることになったようだ。


 本当にありがたいと思う。いまは、その紹介状ができるの待ちなんだけどね。


「護さーん、アテナ先輩ー、料理作りました!昼ごはんにしましょう」


 そうそう、アイリスが天照様に怒られてから俺を手伝ってくれるようになった。しかし、全然ダメダメなのである。


 まぁ、アイリスの部屋を思い出した時に納得するのだが、、。今日も今日とて、食べ物と思えない料理が並んでいる。


 それを俺もアテナも何も言わずに食べるのだ。最初はふざけているのかと思ったが、それを言ったら、本気で泣き出してしまったのでそれからは、昼だけ作ってもらっている。


 本当は食べたくないのだが、挑戦しないと上手くならないので頑張ってもらいたいのだ。


 俺たちが、頑張って昼ごはんを食べ終えたその時だった。


「護くん!紹介状が出来ました。明日出発しましょう!」


 部屋のドアが開いたと思ったら、突然結笑さんの声が響いたのだった。

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