幕間 〜第一章〜
幕間1 サラさんのとある1日
私はいつも通りに仕事をしていた。普段と違うことと言えば、護さんのランク昇格試験の報告があるとこだろうか。
普通に報告を聞いて、いくつか質問するだけなので何も大変なことはないと思っていた。思っていたのに、、、、。こんなことになるなんて、、、、
なんと、護さんはアイリス様だけでなく、アテナ様もお連れしてきてしまっていた。最初は、女2人連れで入ってきたので聞いてみたら、まさかの女神様で会った。こればかりは、2回目だろうと驚いてしまう。
結局、報告はそっちのけで、アテナ様がどうゆう経緯でこちらに来られたかの話になった。その理由は、なんともバカな理由だった。本人には言えないが本当に護さんは苦労していると思う。
報告と少しの話の後に解散となった。もう少し楽に終わると思っていたのに、どうしてこうなってしまったのか。
私は少し休憩しようとギルドの外に出ようとした時だった。さっき別れたばかりの護さん達が依頼板の前でオロオロしているではないか。
何やら、目の前の女の子も泣いてるし、ここじゃダメな話なのだろう。泣いている女の子の顔に少しの既視感を覚えながら、私は護さん達に部屋を貸した。
部屋を貸したままでて行くと帰る時に困るだろうから、その部屋に残ることにする。
しかし、すぐに私はその選択を後悔することになる。
泣いていた女の子は、勇者様だったのだ。私が覚えた既視感はギルドにきた勇者様の似顔絵があったからだろう。ギルドには本物の勇者様を見ながら描いた絵が送られてくるので結構似ているのだ。
さらに、驚くことにその勇者様が護さんに告白しているじゃないか!勇者に求婚したい貴族なんて山ほどいると思うから気を付けてほしいな。
そんな事を考えていると、さらに衝撃の事実が発覚する。勇者様も隣にいた人が、この国の第1王女様だったのだ。
この部屋、普通の人間いなくない?
私は、そんな事を思う。ずっとこの場にいると、情報過多で倒れてしまう危険を感じてる。だから、お茶を汲みに部屋の外に一旦退避する。
そして、私がお茶を汲んで戻るとさらに驚くべきことが起きていた。
なんと、女神様方の話し合いが始まっていたのだ。まぁ、内容は天照様にアイリス様が怒られているだけだが。その中に私が意を決して、お茶を差し出す。
その後は、女神様のお茶会と化した。失礼がないようにずっと気を張ってしまう。だってこの場に女神様が4人も居んるだよ。しかも、その中に世界神がいるなんてヤバすぎる。
女神様達の雰囲気は和やかだが、こちら側は、冷え冷えだ。話の中心にいる護さんでさえ、縮こまっているのに私が入り込めるわけがない。
私は、息を潜めながらお茶会が終わるのを待つ。その時間は永遠のように感じた。
ようやく長かった、お茶会もお開きになったようだ。部屋の中の人が私だけになった後にその床に座り込む。
「ふぅーー」
もう、二度とあんな場所なんかいるもんか!
私はその日、そう決心したのだった。
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