第四十七話 告白side護
「「天照様!」」
アテナさんとアイリスが同時にそう叫んだ。
天照様と言ったらこの世界の世界神様ではないか、そんな神がこんなところにいるのかと思いながら、アテナさんとアイリスが見ている方向を見て、俺は驚いた。
そこには、俺が助けた女の子湊 結笑がいたからだ。フードを被っていてはっきりは見えないが多分そうだろう。召喚されたことは知っていたが、実際会ってみると言葉が出ない。
あちら側もこちらに気づいたようようですごく驚いたような顔をしている。
アテナさんとアイリスも、天照様の名前を叫んだ後は固まっているので、その場は静まり返る。
しばらく続いた、その沈黙を破ったのは結笑さんだった。
「新堂 護くんだよね。生きてたんだね、本当によかった。私、ずっと後悔してて。思いも伝えられないまま、私のせいで死んじゃったと思ってたから、、、、」
結笑さんは、途中で泣き出してしまう。周りに人は少ないが、ここでは少し話しにくいので、おれがオロオロしていると、奥から出てきたサラさんが部屋を貸してくれることになった。
まだ、泣いている結笑さんとお連れさんを連れてその部屋に向かう。向かっている途中は誰もなにも、喋らなかった。あのアイリスでさえも空気を読んでいた。
俺たちが、通された部屋に入った瞬間に結笑さんが言い放った。
「新堂 護くん。私はずっとあなたの事が好きです。これから一緒にいてくれませんか?!」
えっ?俺のことが好き?ずっと一緒にいたい?
俺は疑問に思うことが多すぎて固まってしまう。それでも、結笑さんの猛攻は終わらない。
「気持ちを伝えられなかったことに、後悔してたのでもう後悔したくありません。一緒に魔王討伐して幸せに暮らしませんか?!」
真っ直ぐ俺を見つめてくる結笑さんに、俺は圧倒されてしまう。しかし、ここは勢いだけではなく、ちゃんと落ち着いて答えないといけないだろう。
「ごめんなさい。魔王討伐は強力するけど、一緒に暮らすっていうのは、まだ約束できないかな」
俺は、今の状況からそんな事を答えるしかなかった。でも、その言葉を聞いた瞬間に結笑さんは悲しそうな顔になる。そのまま、俺に質問してきた。
「私じゃ、ダメってことですか?私のこと嫌いですか?」
「いや、いや、いや、、、。そう言うことじゃなくて。一旦落ちついて話そうか」
俺たちはまだ、椅子にも座ってなかった事を思い出した。流石にずっと立ちっぱなしは辛いものがある。
俺はみんなが椅子に座って、落ち着いたのを確信してから話し始めたのだった。
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