第二話 なんだ、この汚部屋
「うぅー、くさい。なんだこの部屋」
あの日、俺は銃に撃たれて死んだはずだった。
しかし、今の状態はなんだろう。俺は今、汚部屋にいる。それも尋常じゃないほど、きたない。頭の理解が追いつかない。撃たれて死んだはずが目が覚めたら、汚部屋にいた?変な冗談でもやめてほしいところだ。
「あれ?誰ですか?」
今の状況が分からず、きょろきょろしていると、誰かが話しかけてきた。この部屋の住人だろうか?
「すみません。俺、死んだはずなのに気づいたらここにきていて。
自分でも何を言ってるのかなからないが、一応、ちゃんと答えておいた。さらに、この目の前に移動してきた女性に名前も聞いておいた。
「私は、アイリスと言います!」
元気な声で答えがかえってきた。
それにしてもアイリス?外国人の方だろうか?
「まもる、護、護、、、、。」
そんなことを考えていると、アイリスと名乗った女性が、俺の名前を繰り返し呟きはじてた。そして、
「はっ、思い出しました。すみません。新堂 護さん。貴方には、異世界転移してもらいます」
「どうゆうことだ?」
何かを思い出したかと思えば、異世界転移だと?こいつ頭壊れてんのか?
「すみません。本当はちゃんとした説明部屋があるんですけど、今日、貴方がくることをすっかり忘れてしまってまして」
「説明部屋?」
「よくある白い部屋みたいな物ですよ。あぁ、改めて自己紹介しますね。私は、新米女神の【アイリス】と言います。これから、異世界転移について説明させてもらいますね」
「えっ?女神」
「はい、女神です」
「女神がこんな汚部屋に住んでんの?」
「すみません。片付けが苦手でして、先輩とかに手伝ってもらって、たまに片付けをするんですけど、すぐにこの状態に戻ってしまって」
「片付けが苦手ってレベルじゃない気がするが。まぁ、そこは置いといて、ここで説明すんの?」
「何か問題が?」
「お前のその意識にも、問題があるとおもうよ、、」
「あっ!お前っていいましたね、いけませんよ!女神は敬わなければ!」
「もう、敬うなんてこと出来ねぇよ。この状況になってしまったら。まず、自分の仕事を忘れる。部屋の掃除が出来ない。そして自覚がない。少し一緒に居ただけでこのレベルって、呆れるわ」
「酷いじゃないですか!初めて会った女神そんなことを言うなんて!」
「もう、いいわ。さっさと説明してもらえる。その異世界転移ってやつ。早くこの部屋から出たいわ」
俺は、この部屋の匂いに慣れてきてしまっていることに恐怖を感じながらそう答えるのだった。
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