第15話 晩ご飯 その2

 今晩は鳥の唐揚げで有るから、結花がこれから飲む酒は缶ビールである。

 僕(俺)も知っているが、鶏の唐揚げとビールは実に合う。


 出来たての鶏の唐揚げと、キンキンの冷たいビールは実に合う!!♪

 リアルカ○ジの世界で、有る!!


 いかん……前世の記憶から、僕はまだ子どもなのに、ビールが飲みたくなってしまう!///


 結花はビール以外にワインや日本酒。時には缶酎ハイや缶ハイボールを飲む。

 量こそは飲まないが、酒自体は好きな結花で有る。

 だからこそ、ワインボトルを二日で一本空けていた時は異常である。


 さっき、結花が料理写真を撮っていた時。

 缶ビールは写真の撮影外に置いてから、結花は写真を撮っている。

 この辺りも、結花は抜かりがない。


 ……


 僕(俺)も、前世の友達は酒で有った。

 何処かの漫画で有る『ボールは友達!』のように、僕に唯一残った友達は『酒』で有った。


 酒で……全てを誤魔化していた。

 人生、恋愛、生活、心の悩みなど……


 今も、前世の記憶から酒を飲みたいとは感じるが、僕(俺)の人生破滅要因は酒で有った。

 出来ればこの人生では、やむを得ない事情が無い限り、飲酒は控えたいと感じている!?


 ……


『ごく、ごく、―――』


「ふぅ……!♪」

「揚げ物を揚げた後の、ビールは美味しいわ!♪」

「今日も、美味しく出来ていると良いなぁ~~♪」


 結花は嬉しそうな表情で、飲みかけのビールが入ったコップをテーブルに置く。

 当たり前だが、結花は僕のことを“子ども”で見ているから、今の結花は“素”の結花で有る。


 と言った物の……外でも余り、結花は変わらないか!?

 結花は裏表が少ない性格なので、僕も安心である!?


「んっ……どうしたの。陽向?」

「私のことを、さっきからジッと見ていて……鶏の唐揚げ、生の部分でも有った…?」


 結花は不思議そうな表情をして、僕に聞いて来る。

 結花が余りにも美味しそうにビールを飲んでいるから、つい見とれてしまった!///


「うっ、ううん……///」

「唐揚げはこれから食べるけど、お母さん。美味しそうに飲んでいるなと思って…///」


 僕は頬染めた、困った微笑み表情で結花に言う。

 すると結花は、口角を上げながら僕に言い始める。


「うん!♪」

「ビールは美味しいよ。陽向!♪」


「これを飲むと……あぁ、私は今日も頑張ったなと、実感が出来るのよ!♪」

「でも、陽向はまだ未成年だから、ビールやお酒は飲んでダメだけどね!♪♪」


 結花は僕にそう言いながら、鶏の唐揚げを箸で掴んで食べる。

 本当……嬉しそうに言う結花である。


「サクッ!」

「もぐ、もぐ、―――♪」


「えへ!///」

「私が言うのも変だけど、今回の鶏の唐揚げもバッチリだわ!♪」

「揚げたのは私だけど、味付けは陽向だから、二人の共同作業が上手に出来ているわ!!♪」


 結花はビールを飲んだ影響か、かなり上機嫌で僕に言っている!

 幾ら何でも、酔いが回るのが早くないか。結花!?


「~~~///」


 僕も気取った表情で、鶏の唐揚げを箸で掴んで食べる。


「サクッ!」

「もぐ、もぐ、―――」


「うん! 衣がサクサクで美味しいね!!」

「お母さん!!♪」


 僕は、鶏の唐揚げの感想を笑顔で結花に言う。

 僕の言葉を聞いた結花は、笑顔で僕に言い始める。


「ありがとう。陽向!」

「毎日。私の料理を褒めてくれて!!」

「陽向は残さず食べてくれるし、美味しそうに食べるから、お母さんも嬉しいよ!!♪」


「お母さんの料理は、ファミレスの料理より断然美味しいからね!♪」


 僕は笑顔で結花に言うが、結花は困った笑顔に成って僕に言い始めた!

 あれ……僕。何か変なことを言ったか??

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