第11話 おやつタイム後

「お母さん!」

「今日も、これから買い物に行くのだよね?♪」


 僕は和やかな表情で結花に聞く。

 結花は穏やかな表情で、僕に言い始める。


「えぇ、そうよ。陽向!」

「……今日も、付いて来るの。陽向…?」


 最後の文章は少し疑問表情で、僕に聞いて来る結花。

 僕は中学生で有るが、結花が行くスーパーへの買い物には、ほぼ毎回付いて行く。


 結花にとっては、少しでも乳離れをして欲しいと思うのだろう。

 だが、僕は和やかな表情で結花に言う。


「そうだよ! 結花!!」

「……ではなく、お母さん!///」


『コク…』


 結花は僕の言葉を聞きながら、アイスカフェオレを飲んでいる。

 結花はアイスカフェオレを飲み干してから、僕に『やれやれ』の表情で言い始める。


「この状態で本当に、中学卒業までに乳離れが出来るのかしら…?」

「何も変わっていないから、うーん……」


(そうは言ってもな、結花!)

(結花は僕と距離をひらけたいらしいが、僕は結花と距離を縮めたいのだよ!!)


 俺は心の中で思うが、言葉には出さない。

 結花は諦めた表情で、僕に言い始める。


「……分かったわ!」

「しばらくは、この関係も何時も通りだからね…!///」


「なら、今日もお母さんと一緒に買い物に行きましょう…!」


 それでも最後の文章は、困った微笑み表情で結花は僕に言う。

 僕は、嬉しそうな表情で結花に言う。


「うん!」

「今日も、お母さんと一緒に買い物に行けて嬉しいな!!♪」


「もう、陽向ったら…!///」


 困った笑顔で僕に言う結花。

 結花は、はっきり言って僕に甘い。


 僕は好意で結花を求めているが、結花は僕への好意より、依存の言葉が相応しいと感じる。

 僕はもう中学生で有る上、前世の知力・知識を持っているから、中学生以上いや、ほぼ大人と同等の行動力を持っている。


 怪しい勧誘電話やセールスを僕が撃退したり、家庭内の簡単な修理や補修だって出来る。

 その辺りを結花は、凄く僕を頼ってくれる。


 結花のスマートフォン機種変更時だって、僕のお陰で“ぼったくり”純正SDカードを代理店から買わされる事は無かった!!

 SDカードなんか家電量販店ですら、格安に買えるからな。


 結花は美人で優しいお母さんで有るが、その分人を疑うことが少なく、また結花の子ども時代は、裕福な家庭で育ってきたため、世間の汚さを知っているようで知らない。

 俗に言う、お嬢様育ちに近い状態で有る。


 その結花の弱点を、孝太郎が生存時はカバーしてきたのだが、僕がその孝太郎を処分ころしてしまったため、結花は自然と僕に頼るしか無くなる。

 結花は僕が、頭が良い子や先見性の目を持っているのを知っているし、僕に頼れば大人顔負けのこと平気でするから、結花の僕への依存度はかなり高い。


 僕は完全に、孝太郎の代わりをこなしている。

 結花もそれを理解しているから、自然と僕に甘くなる……


「……陽向も、おやつを食べ終えているようだし、今から買い物に行きましょうか!」


 結花は、僕のからと成ったコップやお皿を見ながら穏やかな表情で言う。

 おやつのタイムの後は、結花と一緒に買い物で有る。


 買い物と言っても……家近くのスーパーで有るが!///

 だけど、好きな人と一緒ならスーパーの買い物ですら、僕の中ではデートに成る!

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