第六話 オレは錬金術師で、薬師だ!!!
「さっきのは何だったんですか? 」
「あぁ……あれは」
言えない!
超が付くほどに
しかしあの状況をどう説明したことやら。
さっきの
何か新しい事にでも気付いたのか軽くスキップをしている。
このままだと踊りそうだ。
最前列を行くケルブについて行く形でオレ達は今
もうあの樹は光っていない。
ケルブの言う通りあそこで採り
そう思うと感謝なのだが、素直に喜べない。
せめて
「……不思議な
「そしてケルブさんとアルケミナさんの食いつきよう」
「そもそも『
「……」
言えない!
誰か。助けてくれ!!!
冷や汗を流しつつ、そう心の中で叫びながら
★
「! 血の臭い! 」
あと少しで
瞬間全員が戦闘形態をとる。
オレは後ろに下がった。
「……
「いや。モンスターを倒した後かもしれない」
もしかしたらモンスターとの戦闘で負傷したのかも。
「むう。ならば
ミスナが魔法を発動し、探知を広げた。
瞳をつぶって集中している。
するとピクンと体がはねた。
「……一人いた」
「! 」
「
苦い顔をするミスナ。
「行こう」
ぽつりとオレはそう言う。
「しかし……」
「厳しくともまだ生きている。生きているのならばまだやりようはあるだろう」
「だけど犯罪者かも」
「ならば治した後で
そう言いオレは
「全く世話の焼ける相棒だ」
★
多くのモンスターの
しかし周りに血だまりが出来ている。
これはまずい。
「ケルブ! 」
「分かっている。だが」
ああ、と
デカッ!!!
女だったか。
だが関係ない。
傷がある場所を探す。
「ケルブ。
「まずは消毒。
ケルブが軽く傷口を
そして傷口を洗う。
ケルブに手を当て魔力を
まずいが……。
「
すぐさま
すると血管が
これで安全、ではない。
「
軽くコンコンと叩き、
「よくやった。後は任せろ」
「任せたよ。相棒」
腰に手をやりアイテムバックから一本のハイ・スタミナ・ポーションを取り出す。
それを口に含み――口で飲ませた。
口を離して、胸に耳を当てる。
心臓は、動いているな。
よし。大丈夫そうだ。
「けほっ! けほっ! 」
「ふぅ……。息はあるようだ。これで一安心だろう」
むせる彼女を見ると気が抜け腰を地面につけた。
「お疲れ様。これで君はまた一つ命を救った」
「師匠ほどじゃないよ」
「そりゃそうだ。
シルクハットを深く
なんだかんだで手助けをしてくれるんだ。ありがたい。
「にしても……」
「??? 」
「いやなに。
「なにを言う! オレはヘテロだ! 」
「顔を赤くするところを見るとどうもそう思えないのだが? 」
「だぁかぁらぁ! 違うって!!! 」
そう怒鳴っていると山の方から音がする。
すぐさま身構えその場を立つ。
が、見えてきたのは
「……治っている」
「嘘だろ」
「ありえない」
「どうやって」
驚く彼女達を近くに寄せて説明しようとするが――その前にウルガスがミスナに、ガロがイリアに殴られ気絶した。
あ。
あの騎士、上半身裸のままだった。
彼女に消毒済みの、少し軽い
「わ、私の
「なに、回復魔法だけが医療じゃないよ」
「
だが実際問題、回復魔法の力は
しかし今回は状況が違う。
恐らく回復魔法で回復させても気付け用のハイ・スタミナ・ポーションが無ければ命はなかっただろう。
こういう時はオレ達の出番だ。
ハイ・スタミナ・ポーションには気付け以外に様々な効果がある。その中には名前の通り体力回復効果も十分含まれる。
処置後なら、時間を待てば目覚めるだろう。
確か腹部をやられていたな。
恐らくだが
彼女を見ているとイリアがおずおずと口を開いた。
「それで後はどうするんですか? 」
「ん~考えてない! 」
そう言った瞬間空気が冷めた。
「だからアルケミナは馬鹿なのだ」
「なにを! 」
「一旦店で目覚めるのを待ちましょう。そして目覚めた後に彼女のその後について聞くと良い」
「そっ! それだ! それがいい! 」
やれやれと首を振る猫紳士。
反論したいが、出来ない自分が
「よし。帰るか」
彼女を背負いオレ達は
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