第588話 3人目
「戻りましたぁ~」
「「ぜぇーはぁー、ぜぇーはぁー(汗)」」
おおっ
あっという間にヨウコさんがエミールさんとリィファさんを連れて戻って来たけれど、案の定2人は汗だくで疲労困憊のご様子だ。
「ナッ、ナガクラ様、、はぁ、、はぁ、、夜分にお邪魔、、はぁ、はぁ、、致し、ます(疲)」
「エミールさんにリィファさん、いらっしゃいませ。とりあえずお風呂で汗を流してゆっくりして下さい」
「やっ、やったぁ~、、お風呂、、、だぁ~~」
これは相当お疲れだな。
ガチャッ
「ナガクラ君、こんばんは!
あれれ?エミールとリィファの方が先に到着してるじゃん!」
リビングにやって来たステフ様は相変わらず元気いっぱいだな。
牡羊の宝珠の効果で疲れにくくなったとはいえ、その効果には凄まじい物がある。
「ステフ様いらっしゃい。エミールさんとリィファさんはヨウコさんに連れて来て貰っただけだから、ステフ様が1番ですよ」
「なるほど!
だとしても、コーナーはもっと厳しく攻めるべきだったと思うんだよね。
でも暗くて見通しが悪かったからなぁ(悲)」
待て待て待て!
ステフ様、あんたはいったい何処の峠を攻めるつもりやねん!
「えっと、ステフ様もクーデターの情報を聞いたんですよね?」
「うん、ナガクラ君の所に来ればレヴァティ様と直接話せると思ってね。クーデターの首謀者が何を考えていようと、先ずは中立派貴族の意志疎通が先だから」
「おっと、そのレヴァティ様が近くに来てるんで迎えに行く所だったんですよ。ヨウコさんお願いしまーす。」
「はーい、先ずは上空から位置を確認してからになりますので、驚かないで下さいね。」
「え?上空?」
「では、行きまーす。」
ヒュッ、、、パッ
「なっ?!落ちてる、落ちてるぅー(汗)」
ヨウコさんの転移によって上空に移動したのかどうか暗過ぎて全く分からん
だがしかし、凄い勢いで落ちてますよぉー!
「えーーーっと、居ました!ほいっ」
ヒュッ、、パッ
「「「「「なっ?!」」」」」
「わぁーーー、皆さん大丈夫です!シン・ナガクラとヨウコさんですから!賊ではありません!」
無事にレヴァティ様が待っている場所に転移出来たのは良かったけれど、急に出現した俺とヨウコさんに護衛の皆さんとメイドさん達が驚いてしまっている。
「ナガクラ様?」
「ハインツさん!すいません急に来て驚かせちゃって」
「いえ、旦那様からナガクラ様が急に現れるから驚くなと注意されていたのに、不覚にも驚いてしまった我々の失態でございます。」
「いや、まぁ、普通は有り得ない事なんで仕方ないかと」
「寛大なお心に感謝致します。」
「早かったなシン!」
「レヴァティ様、こんばんは。
タイミング良くヨウコさんの準備が出来てましたから。
ここからはヨウコさんの能力で我が家に帰るんですけど、一応聞いておきます。皆さん一緒で大丈夫なんですよね?」
「さてな、私も人の心の中までは覗けんから保証は出来ん。
だがしかし、ピスケス家と私の息子を裏切るようは輩がいた場合、私が責任を取る!
己の信念に従い死ぬ気で裏切る気概があるなら、手向けの花として私が名誉ある死を贈ってやるよ。わっはっはっはっ♪」
笑顔で恐ろしい事を言わないで欲しいよ。
笑顔のレヴァティ様を見て、執事のハインツさんでさえ顔色が悪いんだもの
他の護衛やメイドの皆さんは、なんとか尻餅をつかないように耐えるので必死だ。
俺でさえ背筋が寒いんだから、レヴァティ様が味方で、、、否!
おとうさんで本当に良かったよ。
「ナガクラ様、そろそろ帰りませんか?」
「あぁ、そうですね。レヴァティ様、準備は宜しいですか?」
「いつでも構わん」
「ヨウコさん、お願いします。」
「はーい、せーのっ」
ヒュッ、、パッ
「「「「「おおっ?!」」」」」
一瞬で我が家の庭に到着っと。
「ほぉほぉ、噂には聞いていたがヨウコさんの転移は素晴らしいな」
「便利なんですけど色々と制限もあるんで、転移ありきでプランを立てるのは止めて下さいね。」
「残念ではあるが、何事も自らの力で成してこそだ。シンもあまり頼り過ぎるなよ?」
「おとうさんからの貴重なアドバイス、肝に命じておきます。」
「やはり親子の会話は楽しいな!」
俺もイケメンのおとうさんが出来て楽しいぜ!
「おーい、旦那ぁー!、、、おーい!」
むむっ!
何処からか声が、、、ロブさん?
なんやかんやで、あと数時間で夜明けという深夜にもかかわらず、門兵のロブさんが我が家の玄関から出て来てこちらに走って来る。
「ロブさんどうしたの?」
「やべぇーよ旦那、スコーピオン公爵家の紋を掲げた馬車が西門の外に来てる!」
あぁ~、3人目はスコーピオン公爵だったか。
俺とペトラ様の結婚式に出席する為に我が家に向かって来てたとはいえ、到着予定日よりかなり早い。
途中でクーデターの事を知って急いだのかな?
「ロブさん、スコーピオン公爵家の馬車は通して大丈夫。俺の家に案内して来て欲しいんだけど」
「え゛っ?ただの門兵に公爵家の相手をさせるとか無茶にもほどがあるってぇ~(汗)」
「大丈夫だって。いきなり斬られたりしないから」
「えぇーー!!」
マジでこんなに全力で許否されるとか、貴族のイメージ悪過ぎやろ!
「ナガクラ様、よろしければスコーピオン公爵は私が案内してまいりますが」
「助かりますハインツさん、よろしくお願いします。」
「かしこまりました。」
ほっ
ハインツさんが空気の読める優秀な人で本当に良かったよ。
これで役者は全員揃った、、、?
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。