第582話 おかあさんには敵いません
「シンさんにヨウコちゃんお疲れ様でした。ビューティーちゃんとエルフの事もどうにかなりそうだし、おかあさん凄く嬉しいわ♪」
おぅふ
このタイミングで満を持してアストレア様が出て来たと言う事は、俺が帰って来てから今までの成り行きの結果次第で、次にどうするか考えてたな。
見事にアストレア様の掌で転がされてた訳だが、面倒な部分をキッチリ責任持って処理してくれるなら、ドンドン転がしてくれてかまわない。
「もしかして、おかあさんは俺とウェンディさんとの事まで計算してたんですか?」
「うふふっ、流石に2人の心の中までは私にはどうにも出来ないわよ。でもまぁ、ウェンディちゃんとの仲は時間の問題だとは思ってたけど、結果的には良かったでしょ?」
「そりゃまぁ良かったですけどね。結果良ければ全て良し!みたいなのは勘弁して下さいよ」
「シンさんとウェンディちゃんが結婚してウェンディちゃんが私の娘になれば、ピスケス伯爵家で守ってあげられるから、それで今回は許して欲しいわ」
「怒ってる訳では無いので許すとかは無いですけど、一夫多妻や一妻多夫って全員義理の娘や息子になるんですか?」
「んーーー、、どうなのかしら?」
「「「「「「ええっ?!」」」」」」
ひょえぇーーー?!
アストレア様のまさかの答えに、奥さん達が全員唖然としちゃったよ
ようするに明確なルールは無いって事なんだろうけど、もう少し場の空気を読んで答えて欲しかったよ(疲)
「おかあさんとしては、ビィさんとソニアさんはどうするんです?」
「我が家に住んで貰うのが1番だと思うんだけど」
「2人の安全だけを考えるなら浮島でも良いと思いますよ。食料は定期的にこっちから運べますし」
「という事だけど、ビューティーちゃんとソニアちゃんはどうしたいの?」
「「えーーーーーっと、、、」」
勝手にドンドン話を進められても付いて行けないヨネー。
「とりあえずビィさんとソニアさんは我が家に住んで、池田屋商会の従業員として働くのはどうですか?
我が家でコロコロカートの組み立てをすれば、部外者と接触しなくて済みますし報酬も出しますよ?」
「「池田屋商会で一所懸命に働かせて頂きます!」
「ビィ様ぁ゛~、これで毎日ご飯がたべられますよ゛ぉ゛~(泣)」
「ちゃんと貯金もして、水虫の薬も買おうね!」
「はい!」
うーん
ビィさんとソニアさんって今までどんな生活をしてきたんだろう?
とりあえず水虫は勝手に回復魔法で治させて貰うとして
サワタリ一族って色んな意味でヤバい集団じゃないだろうな?
単純にビィさんとソニアさんが駄目駄目な人だったという可能性もあるけど、とりあえずヒーロー・サワタリについてもう少し詳しく知るところから始めますか。
◇ ◇ ◇
という事でやって来たのは我が家の中庭に出しっぱなしにしている屋台
ちなみに看板娘はアストレア様なので、どんな些細な事も疑問に思っては絶対にいけない!
という事で本日も開店しまーす。
「ビィさんとソニアさんも遠慮せず座って下さい。
おっと!右側の2席は常連客の指定席なんで空けておいて下さいね」
「常連客?」
「えっと、ナガクラ様は自宅で屋台の営業をされているんですか?」
「まぁ知り合いしか来ませんし、全品無料なんで営業と言えるか分かりませんけど、、、来たみたいですね」
「「ん?」」
「やっほぉ~、来ったでぇ~」
「こんにちは~」
「いらっしゃいませ!本日はテーナガエビ尽くしになってますから、堪能して行って下さいね。」
「「やったぁー♪」」
ふふっ
いつものように屋台の開店とほぼ同時にやって来た常連客のふーちゃんとちーちゃんも、テーナガエビはとても気に入っているようだ。
しかし、毎回直ぐ来るって事は神域でずっと屋台を見張っているのだろうか?
屋台は俺の気分による完全な不定期営業だから、普通に考えるとシエーネさんかヨウコさんが毎回伝えて、、、居るぅー!
我が家の2階の窓から屋台を見てるシエーネさんとヨウコさんが、仲良く首を縦に振りながらとても安心した表情をしているもの
次からは屋台を営業する時はちゃんと2人にも伝えておこう。
「ナッ、ナガクラ様、常連客の御二人ってもしかしなくても創造神様とちーちゃん様ですよね!
ポリマの教会で御会いした時より光の量は少ないですけど」
「はて?私にはさっぱり分かりませんねぇ。
お客様の事で私が知ってるのは名前くらいで、ふーちゃんとちーちゃんさんです。
他の呼び方をすると怒られますから気を付けて下さい」
「かっ、神が常連客だなんて、、、アハハハハハハハハ」
「ビィ様?!お気を確かに!」
ポリマの教会で1度会ってるから大丈夫だと思ったんだけど、驚かせ過ぎたかなぁ?
まぁこれで余程の馬鹿で無い限り、俺を裏切ったりとか、おかしな事はしないだろう。
ヒーロー・サワタリについて、ふーちゃんにサクッと答えて貰って今宵も屋台を堪能しなくては!
つづく。
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