第583話 ここに来て知る新たな事実乱れ撃ち
「では、かんぱーい」
「「「かんぱーい♪」」」
「「・・・かんぱい」」
うーむ
ビィさんとソニアさんが周囲のノリに付いて行けて無いのが気になるけど、酒を飲んでればそのうち打ち解けるだろう。
「へぇ~、アッちゃんって店主のお母さんなんや、息子さんにはいつもごっつぅ美味しい料理を堪能させてもうてます」
「勿体無い御言葉でございます。これからも息子の屋台をどうぞ御贔屓に。」
ぐはぁっ!
いつの間にかちーちゃんさんがアストレア様の事を『アッちゃん』呼びしてて、スゲェー打ち解けてるんですけど!
しかもアストレア様も母親として普通に挨拶しちゃってるし。まぁ義母とはいえ、母親には違い無いから良いんだけど、授業参観みたいで全然落ち着かん!
「そうそう、この前アッちゃんの所の教会で『揚げ米』をお供えされたんだけど、なかなか美味しかったわ♪
醤油味と味噌味の二種類だったけど、ビールに合うし名物にして良いんじゃないかしら?」
「ふーちゃんもそう思う?
私もあの揚げ米はイケると思ってたのよ」
米を油で揚げた食べ物って言うと『おかき』とか『揚げ餅』みたいな米菓の事かな?
ふーちゃんを満足させる米菓を作るとは、ピスケス領の皆さんはやりおるぞ!
しかしなぁ
ふーちゃん、ちーちゃんさん、アストレア様の3人って実は幼馴染みだったりするんじゃないだろうな?
そう思わせるくらい3人の仲が良過ぎる!
おっと
3人の会話をぼーっと聞いてる場合じゃない、ヒーロー・サワタリについて聴かなければ
「あのう、お話中のところ申し訳無いんですが、ふーちゃんに聞きたい事があるんだけど」
「はーい、何でも聞いてちょうだい」
「ヒーロー・サワタリについて知ってる事を教えて欲しくて、約200年前に勇者としてふーちゃんと会ってるんじゃないかと思うんだけど、どう?」
「え?、、あぁ、、うん、サワタリね、サワタリ、サワタリ、サワガニは良い出汁が出そうよね!」
「さわがに?」
「あかんあかん、ふーちゃんが名前なんて覚えてる訳無いで。ウチらは魂を見て個人の識別をしてるから、名前なんてそもそも見て無いんよ。
だからどんだけ探しても初めから記憶に入って無いもんは出て来ぃひんで。」
うーむ
ヒーロー・サワタリの事を知った所で今更感があって、絶対に知りたい訳ではない。
でも得られる情報があるなら欲しい、となるとどうするか、、、
「え?あの、私には初代様の書いた日記以上の事は分かりませんよ(汗)」
ふとビィさんと目が合った、、、ビューティー・サワタリ、、、
魂を見てるならイケるんじゃね?
「あの!ここに居るビューティー・サワタリさんはヒーロー・サワタリの子孫なんですけど、似た魂で思い出したりしませんか?」
「ふむふむ、子孫なら、、、、、、、、、思い出した!滅菌の能力を発現した子だわ!」
おおっ!
サワタリ君は滅菌のチート能力持ちだったのか。
勇者として冒険するなら病気より怪我を治せる能力の方が欲しかっただろうな。
「能力以外に思い出した事は?」
「そうねぇ、私もしばらくは様子を見てたような気がするんだけど、、、覚えて無いって事は、普通に暮らして一生を終えたんじゃない?」
あぁ~
そりゃあ世界を創造した神様からしたら、世界を滅亡させるくらいの凄い事をしないと覚えてるはず無いよな
「ヒーロー・サワタリについてはそれくらいだけど、何代か後のヒーローの子孫が魔法を飛躍的に進化させたのは覚えてるわ。
この世界の魔法って基礎だけ私が作ったけど、汎用性を高める為に色々と、、、あ゛っ、、、」
「、、、あちゃ~」
おいおいおい
空耳だと思いたいけれど、ちーちゃんの反応を見る限りちゃんと聞こえてしまったんだろうな
聞くと凄く不安になる『あ゛っ』の声を、それ言ったのが創造神様なら今日で世界が終わるのかもしれない(悲)
「えっと、魔法が進化して急速に魔法文化の発展に繋がったんだけど、逆に洗脳とか呪い系の危険な魔法も進化しちゃったのよね。
とはいえ、せっかくの進化を私が潰すのは違う気がしたから、制限を設けたのよ」
「制限?」
「具体的に言うと、一定回数使うと精神が蝕まれるとか、魔法を使った本人に跳ね返って来るとかね。
当然救済措置もあって、聖属性魔法をぶつけるか、あなたのスキルで買った物で殴るなりして少しでも接触すれば正気に戻るわよ。
はぁ~、ナガクラファミリーの誰かが使う前に思い出して良かったわぁ~。」
マジでそういう危険な事は忘れないで欲しいです。
とはいえ、洗脳や呪いなんて恐過ぎて使わないけどな。
後でミリーさんには教えておこう。この情報を一般公開するかどうかの判断は俺には出来ん。
さてと
憂いは無くなった。
今宵はテーナガエビ尽くしで
エビパーティーやぁー♪
つづく。
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