第571話 目的見失い中 その2

薄揚げ・厚揚げ・焼き豆腐がたっぷり入った、ヨウコさん特製『大豆土手鍋』


牡蠣・長ネギ・豆苗・ニンジンが入った、シエーネさん特製『牡蠣土手鍋』



本日は浮島で『大豆土手鍋』と『牡蠣土手鍋』の2種類の土手鍋を食べながら、地上に見える王都と王城を肴にお酒も満喫中


王城を見ながら飲む日本酒というのも、なかなか風情があって俺は大満足でござる!


そして土手鍋のシメは牡蠣の出汁たっぷりの雑炊


この雑炊を勢いよくかき込むと、体の中からポカポカしてきて温まるぅ~♪




「今日はカクテルの王様と女王の両方飲めたし、土手鍋もいっぱい食べて満腹やぁ♪」



ちーちゃんさんが仰向けになりお腹をポンポン叩いてとても満足そうだ。


でも土手鍋とシメの雑炊を含めて1人で3㎏は食べたんだから、満足してくれないと困るけどな。



「そう言えば創造神様って、俺以外の人がお祈りの時にお願いをしても叶えてくれたりします?」


「お願いされれば叶えない事もないけれど、叶えて欲しい願いでもあるのかしら?」


「可能であれば人の力ではどうにもならない事限定で、宝クジに当たるような感覚で創造神様に願いを叶えて貰える人が居ても良いのかなと思うんですけど」


「へぇ~、面白い事考えるやん。ウチはええと思うで。

たまには神の存在を明確に示しとかんと、自分らの都合の良いように事実をねじ曲げて広めよるんが人やからなぁ。

神の名のもとに聖戦されても、こっちは全然関係無いから責任とられへんし」



本当にちーちゃんさんの言う通りだよなぁ。


神の教えをどういう風に解釈するかは結局その人次第だからな。


まぁこの世界は神の教えを自分勝手な解釈で好き勝手してると、創造神様が直接間違いを正しに来る(神の怒りが降り注ぐ)事もあるから、定期的に神の存在を示しておくのは有効だろう。



「私としては真剣に祈りを捧げてくれる人の些細なお願いくらいは叶えても良いわよ。神域まで願いが届いた時と、降臨してる時に直接お願いされないと無理だけど」


「それで充分だと思います。」



降臨して光輝く創造神様に直接お願いが出来るような鋼のメンタルを持ってる人が、はたしてどれ程存在してるのかは分からんけど


『もしかしたら私にも神の奇跡が?!』と希望を持つ事は出来るんじゃないかな?



「土手鍋も沢山食べてお腹いっぱいだし、そろそろ帰りましょうか」


「せやね、今日は充分楽しんだから満足や♪

そうそう!

神託が受けれる人を見付けて色々アドバイスしといたから、そのうちあんたの事探して会いに行くと思うからよろしゅうやってや。

ほな、ばいば~い」


「わたし、きりたんぽ鍋がとっても気になります!では、さようなら~」


「あっ、はい、さようなら~」




おーい、ちーちゃんさーん!


帰り際に凄く重要そうな事を言わないで欲しい。


あっ?!


すっかり忘れてたけど、これってもしかしてアストレア様に依頼された『とある御方の護衛』の、『とある御方』の事なのでは?


タイミング的には合うっていうか、ここは『テンプレな異世界』だもの


俺と出会う人は物語の重要人物しか居ねぇーよ!


なんだか随分長いことメインストーリーを進めずにサブクエストやったり、ミニゲームを楽しんでたような不思議な気持ちになってるけれど


ミニゲームにハマって何十時間もミニゲームだけをプレイしちゃうのも、ある意味テンプレ展開だから


何の問題も無い!



メインクエスト『とある御方の護衛』


いざ!






つづく。

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