第570話 目的見失い中
「それでは行きまーす」
ヒュッ、、パッ
ヨウコさんの転移魔法を使って一瞬で浮島に到着♪
本当のチートはマジで転移魔法だと思う。
ただし、神獣にも縄張りとか担当地域のような物が存在していて、基本的には自分の担当地域内でしか転移魔法は使いたく無いらしい。
王都周辺はヨウコさんの担当地域外ではあるけれど、今回は短距離だったから問題無し!
そしたら短距離転移を繰り返せば長距離移動も出来るんじゃないかと思ったけど、そういうグレーゾーンとか、法の抜け穴みたいな事を探して実行するのは普通に駄目っぽい。
世の中そう簡単には行かないか。
さてと
先に来ているはずのシエーネさんを探しに行、、、く必要は無かった。
30メートルほど先の開けた場所でドラゴンが仰向けで寝ているのが見えるんだもの、今のシエーネさんは10メートルを越える巨体だけど、警戒心ゼロで爆睡されると案外自然の中に同化して気付かないものなんだな。
「おーい、シエーネさーん」
「、、、ん~、、あっ?!ナガクラ君にヨウコさんもいらっしゃい。何か用?」
「浮島で1泊しようと思って、あと創造神様と夕食を一緒に食べる事になったからよろしく!」
「「あ゛っ?!」」
ササッ
ん?
何故かシエーネさんとヨウコさんが同時に土下座の姿勢をしているのだが、、、
「やっほぉ~、夕食をご馳走になりに来ましたぁ~♪」
「呼ばれて飛び出て降臨したったでぇ~♪」
あっ、はい、了解です。
さすが浮島、創造神様もちーちゃんさんもナチュラルに降臨出来るのね。
「2人ともいらっしゃい。まだ準備出来て無いんで、テーナガエビの唐揚げでも食べて待ってて下さい。ちょっとヨウコさん!いつまでも土下座してないで手伝って下さいよ」
「はっ、はい(汗)夕食は土手鍋ですよね?シエーネさんも手伝って下さい!」
「もっ、もももも勿論だよ!」
「こちらは我々にお任せを!
完成まで皆様はどうぞ御歓談下さい。」
うーむ
やはり神獣と創造神様の心の距離が遠いのが気になる。
これは早々に勇者の試練全12個をクリアして神獣と仲良くなり、創造神様と神獣の親睦会を開催するべきなのかもしれない。
俺も忙しいから、勇者の試練を全クリするのは、最短でも数年先になるだろうけど。
「土手鍋が完成するまで、テーナガエビをつまみにお酒飲みながら雑談でもしませんか?」
「ウチらも色々話があるからちょうどええやん♪」
「飲み物はどうします?」
「ウチは信州の白ワイン♪」
「私はマティーニをお願いします。」
マティーニだと?!
まさかマティーニを頼まれるとは完全に意表を突かれたなぁ
今日の創造神様はやりおるぞ!
「えぇー?!マティーニってウチも初めて聞いたけど、ふーちゃん何か知ってるん?」
「勿論よ。知らないのに頼む訳無いでしょ!マティーニって言うのは、ドライジンにベルモットっていうお酒を混ぜてオリーブを添えたカクテルで、カクテルの王様と呼ばれているのよ♪」
おおっ!
いつもはちーちゃんさんがドヤ顔で色々注文するのに、今日は創造神様のドヤ顔が炸裂している。
本日の創造神様は油断ならんぞ!
「そしたらウチも何かそういうの、飲みたいぃ~!なぁなぁ、何かそういうカクテル無いん?」
神様なら自分でちょちょいと調べて欲しいところではあるけれど、カクテルの王様に対抗するにはちょうど良いカクテルを俺は知っている!
先ずはカクテルの王様と呼ばれるマティーニから作ろう。
ミキシンググラスにドライジンとベルモットを4:1の割合で注いで優しくステア
カクテルグラスに注いでオリーブを添えたら、カクテルの王様『マティーニ』の完成!
続きまして
ミキシンググラスにアロマティックビターズを1滴、ライウィスキーとスィートベルモットを2:1の割合で注いで優しくステア
カクテルグラスに注いでレッドチェリーを添えれば、夕陽のような赤い色が特徴の『マンハッタン』の完成!
「お待たせしました。創造神様にはマティーニ、ちーちゃんさんにはマンハッタンです。ちなみにマンハッタンはカクテルの女王と呼ばれています。」
「おおっ!まさにウチにぴったりのカクテルやん♪」
「ちーちゃんは女王というよりは、おてんば姫って感じだけどね」
「へぇ~、江戸の町を走り回って事件解決するみたいなんはちょっと憧れるなぁ」
「えーっと、誉め言葉では無かったんだけど、喜んでくれてるならいいわ。いただきます。」
「いだだきまーす。んぐんぐ、、旨っ!甘めでめっちゃ美味しいで!」
「マティーニは複雑な味わいだけどキリッと爽やかで、王様と呼ばれるに相応しいわね♪」
「ホンマ?!そしたら交換して飲み比べようや」
「いいわよ、はいどうぞ」
「どれどれ、んぐんぐ、、おおっ!さすが王様、この複雑な味はクセになるで!」
「浮島から見える夕陽がマンハッタンの色と重なってとても美しいわ♪」
うんうん
創造神様もちーちゃんさんも喜んでくれて嬉しいねぇ
テーナガエビも美味しいし最高やな!
あれ?
俺はテーナガエビを食べながら、浮島でのんびりカクテルを作っていて良かったんだっけ?
テーナガエビでポリマの孤児院を支援しに来たのでは無い、それは分かっているけれど
何か大事な目的を忘れているような気が、、、
まっ、創造神様より優先させる事なんて存在しないから
問題なんて、ないない♪
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。